高橋、得点王に FC琉球、最終戦飾り9位


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 サッカーの日本フットボールリーグ(JFL)最終節の第34節は18日、各地で8試合を行い、FC琉球は沖縄市陸上競技場でMIOびわこ滋賀と対戦。4―1で圧勝し、通算成績は12勝13敗7分け(勝ち点43)で順位は9位で終えた。

國仲厚助をDF、富所悠を中盤、我那覇和樹、田中靖大をFWに配置する攻撃的なフォーメーションで挑んだ琉球。開始10分で先制。後半に1点を奪われたが、64分に交代したFW高橋俊太が相手の裏に出るプレーを展開し決勝弾を決めると、波に乗ったチームはロスタイムに2点を追加した。高橋は今季通算20得点を挙げ、辻正男(Y.S.C.C.、神奈川)と同点でJFLの得点王に輝いた。

FC琉球(12勝13敗7分)(43)
4―1(1―0,3―1)
MIOびわこ滋賀(11勝11敗10分)(43)
▽得点者 【琉】松浦、高橋、我那覇、小幡【滋】壽
 【評】序盤から攻撃的な姿勢で圧倒した琉球は、10分にDF松浦勇武が左足で先制。後半は相手の展開の早いプレーに失点したが、すぐに高橋が裏に抜ける得意のスタイルで決勝点を奪った。ロスタイムの5分間にも我那覇、MF小幡純平が決め、圧勝した。MIOびわこ滋賀は琉球の意表を突いた攻撃を防げなかった。(仲本文子)

◆故障押し、決めたゴール/高橋
 高橋駿太が、最後の試合で見せた。10月初旬、右膝の靭帯を損傷。約1カ月ぶりの出場だったが、裏を抜ける得意のプレーで圧倒的な存在感を見せつけ、土壇場で得点王に返り咲いた。
 1点リードで迎えた後半。相手の早い展開に崩され同点とされたが、84分、高橋が富所からオフサイドぎりぎりのロングパスを受けると、そのままドリブルでつなぎ右足でシュート。待ちわびた決勝弾に、会場を訪れた3211人のサポーターが沸いた。
 完全に流れに乗った琉球は、ロスタイムにも我那覇が得点。何とか点を取ろうと相手GKが攻撃に加わり、相手ゴールが無人状態になったところをカウンターで小幡が決め、ダメ押しの4点目とした。
 今季はハットトリックを2回、小幡とのコンビネーションで得点を量産した高橋。しかし、けがから復帰したばかりでコンディションは万全ではなかった。練習に参加したのも、わずか1週間前。痛み止めの注射を打ちながらの出場だった。使っていなかった右足を酷使しての得点に「約1カ月スタンドから見ていてつらかった。最後だけでも決めたかった」と振り返った。
 目標の20点を達成した得点王だったが「初めてのタイトルですごくうれしい」と話した一方で「正直、(トップ)タイなのは悔しい。次はダントツでゴールを決めていきたい」と、早くも来季に向けて闘志を燃やした。
(仲本文子)

◆松田監督惜しみサポーター歓声/退任でセレモニー
 今季1年で退任となった松田岳夫監督。代名詞でもある、ボール保持率の高い「ポゼッションサッカー」を掲げ、パス回しなどチームワークを前面に出した戦略で、琉球のレベルを引き上げた。
 最終戦を終えた松田監督は、セレモニーで「今季はうまくいかない時もあったが、選手たちはみんな必死に戦っていた。1年間で非常に成長した。最後のゲームだったが、この試合を見て『サッカーは最高だ』と思ってもらえたら」と、感慨深げに話した。
 松田監督があいさつを終えた後「松田琉球!」と歌うサポーターの声が会場に響いた。

◆楽しいサッカーできた
 我那覇和樹主将(FC琉球)の話 サポーターもたくさん見に来てくれて、気持ちを前面に出した楽しいサッカーができた。今季は自分たちのプレーができ始めたのが遅かったが、最後は思うようなサッカーができた。来季にもいい形でつなげると思う。

FC琉球―MIOびわこ滋賀 後半84分、得点王決定弾となるシュートを決める高橋駿太(奥)=18日、沖縄市陸上競技場(渡慶次哲三撮影)
試合後のセレモニーであいさつする松田岳夫監督