キングス開幕10連勝 bjリーグ第10戦


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 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=9勝)は18日、沖縄市体育館で大分ヒートデビルズ(同地区2位=8勝3敗)とシーズン第10戦を行い、98―78で勝利、球団記録となる10連勝を飾り、開幕から負けなしで首位を守った。

キングスは第1クオーター(Q)、山内盛久や小菅直人の3ポイントシュートなどで得点、前半を43―29で折り返した。後半は持ち味の素早い攻撃で大分を引き離し、勝利をつかんだ。キングスの次戦は24、25の両日、宜野湾市立体育館にライジング福岡を迎えて行う。

琉球ゴールデンキングス(10勝)
98―78(24―21,19―8,27―26,28―23)
大分ヒートデビルズ(8勝4敗)

 【評】キングスが持ち味を存分に発揮して大分を圧倒した。攻撃では並里成を起点とした速攻で相手コートに切り込み、ウッドベリーやマクヘンリーらポイントゲッターが確実に得点した。守備では無理に突っ込まずに、相手の動きを見極めながら攻撃を阻んだ。リバウンドを拾えない場面も目立ったが、攻撃面でしっかりとカバーした。(平安太一)

◆球団記録は光栄
 遠山向人HC(キングス)の話 球団レコードを達成できて光栄に思う。引き続き同じ気持ちで頑張りたい。今日は点差以上にタフなゲームになったが、選手がよく我慢してくれた。昨日と変えたディフェンスも効果的だった。(次戦の)福岡も大分と同様に能力が高い。チーム一体で挑戦したい。

◆全てキングスが上
 鈴木裕紀HC(大分)の話 今日のゲームは全ての面でキングスの方が上だった。シュートにもスマートに行けず、逆にキングスの得意なバスケをさせてしまった。今後はチームで攻めることが課題になる。練習をやり直して次は勝てるようにしたい。

◆連勝街道 球団新/光る堅守 相手かく乱
 球団記録となる10連勝をつかんだ瞬間、3000人を超える観客の指笛や拍手が会場を埋め尽くした。堅い守りと素早い攻撃。王者・キングスの持ち味を存分に発揮してつかんだ勝利だった。開幕から負けなしで連勝街道を突き進むが、選手は「まだまだ通過点」と気持ちを引き締める。
 試合は序盤からキングスのペースだった。第1クオーター(Q)、小菅直人が3本の3ポイントシュートを決め、流れを寄せた。山内盛久は積極的に足を使い、マンツーマンディフェンスを仕掛けてくる大分を翻弄(ほんろう)。軽快なフットワークでフリーの状態でパスを受け、外側から積極的にシュートを放った。
 この日のキングスは守りのうまさも光った。素早くプレッシャーを仕掛けていた前日と異なり、一歩引いて守りを固めた。「昨日はプレッシャーをかけに行ってパスを出されていた」と振り返る与那嶺翼。「守りの方法を変えることで大分を混乱させることができた」と満足げ。第2Qは大分を8点に抑えるなど、守備の強さを見せつけた。
 先発のコートに立ち、大車輪の活躍を見せたのはアンソニー・マクヘンリー。リング下への切り込みなど得意の攻撃パターンに加え、2本の3点弾を決めるなど外からの攻撃力の高さも証明した。「チームメートが得点に導いてくれた」と仲間に感謝するマクヘンリーは「10連勝はいい成果だが、まだまだ小さなステップだ。ハングリー精神を持って優勝という大きな目標に向かう」と強調。チーム全体で頂点を狙う考えだ。(平安太一)

◆大分の澤岻 故郷沸かせる/1、2戦とも先発出場
 2008~09シーズンに琉球ゴールデンキングスのリーグ優勝に貢献した澤岻直人(北中城高―法政大)が、第1戦、2戦ともに先発出場し、沖縄の観客を沸かせた。
 17日の試合では、第1クオーターからスチールや3ポイントシュートを決める活躍を見せ、約29分の出場時間で10得点を決めた。18日は3ポイントシュートを決めたほか、懸命にボールに食らいつき、守備やアシストでチームに貢献した。また、両日ともに並里成との激しいマッチアップを見せ、観客を楽しませた。
 澤岻は「温かく迎えてくれたファンに感謝したい」と故郷でのゲームを笑顔で振り返る。試合では敗れたが「次は負けないように頑張る」と闘志を燃やした。

<bjリーグ>キングス―大分 第3クオーター、リング下に切り込むアンソニー・マクヘンリー=18日、沖縄市体育館(花城太撮影)
キングス―大分 第1クオーター、体勢を崩した状態からパスを出す澤岻直人=18日、沖縄市体育館