使おうウチナーグチ 那覇市教委が全校に冊子


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 那覇市教育委員会は市内小中学校54校に対し、ウチナーグチの小冊子(約3万4千冊)を年度内に制作し、来年4月にも市内の全小中学生約3万人や教職員らに配布する方針を決めた。

若者を中心にウチナーグチ文化の衰退が懸念される中、学校現場でのウチナーグチの普及・啓発につなげたい考えだ。県内自治体初の試み。市教委は「子どもたちがウチナーグチを学ぶ入り口になってほしい」と話しており、ウチナーグチの普及活動に本格的に乗り出す。
 那覇市は市議会11月臨時会初日の20日、一括交付金を活用した事業として986万円を計上した予算案を提案した。
 制作予定の小冊子には「ハイサイグスーヨーチューウガナビラ」(皆さんこんにちは)や「ニフェーデービル」(ありがとうございます)、給食時などに使う「クワッチーサビラ」(いただきます)など、学校生活で使う身近な言葉を中心に掲載する方針だ。内容検討に当たっては市教委内に検討委員会を設けるほか、市文化協会などにも助言を求めていく考え。小冊子は国語や総合学習の時間のほか、子どもたちが生活の中で気になった言葉を自ら調べるなどの活用法を想定している。
 那覇市文化協会うちなーぐち部会の名嘉山秀信事務局長は「学校教育にウチナーグチを取り入れてほしいというのが願いだったので歓迎する。継続的に取り組んでほしい」と喜んだ。(知念征尚)