大宜味村、旧庁舎の“米寿”祝う


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【大宜味】1925年3月の完成から数え年で88歳を迎えた「旧大宜味村役場庁舎」の米寿(トーハキ)を祝う記念式典が17日、大宜味小学校体育館で行われた。

参加者らは「カジマヤー、120歳になってほしい」とさらなる“長寿”を願った。
 旧庁舎は1972年まで村役場として使用され、現在は同村村史編(へん)纂(さん)室となっている。建物の設計は熊本県出身で国頭郡役所建築技手の故清村勉氏で、建築には大宜味大工が携わった。
 県内初の本格的な鉄筋コンクリートの公共建築物として、県の有形文化財に指定されている。特に台風による風圧を軽減するために八角形の平面形状を取り入れるなど、優れた特徴がある。
 この日はあいにくの雨で、旧庁舎前で予定していた式典は同校体育館で行われた。熊本から清村氏の孫、清村正弥さん(54)、親族の幸田亮一さん(58)が訪れ、村から感謝状が贈られた。
 トーハキにあわせ旧庁舎入り口に向かって右に説明板、左に記念碑が設置された。記念碑にはいずれも村内在住の仲井間幸子さん(83)、宮城光則さん(83)、山城初子さん(68)の3人による庁舎や大宜味大工の技へ思いを込めた琉歌が刻まれた。
 トーハキ祝いの実行委員会会長を務める島袋義久大宜味村長は「長寿の里の見本となり、旧庁舎が永遠に活躍することを祈念したい」と喜んだ。
 式典に先立ち故清村勉氏についての講演会や庁舎についてのシンポジウムが行われた。

トーハキ祝いが行われた旧大宜味村役場庁舎
感謝状を受け取った清村さん(左2人目)ら=17日、大宜味小学校体育館