米軍、那覇で巡回 外出禁止違反受け


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 在日米軍は21日、日本にいる全兵士を対象にした深夜外出禁止令(午後11時~午前5時)が順守されているか確認するため、那覇市内で在沖米4軍による巡回を「直ちに始める」と発表した。

同禁止令を破った米兵の事件が相次いでおり、18日に在沖米海兵隊の将校が那覇市で住居侵入事件を起こしたことへの新たな措置とみられる。同日午後10時40分ごろ、私服の米軍関係者が那覇市の国際通りで店舗前を巡回する姿が確認できた。発表によると、米軍はこれまで北谷町美浜や沖縄市の米空軍嘉手納基地第2ゲート付近で巡回をしてきた。那覇市では初めてとみられる。
 県内からは「巡回する姿を見て市民が不安がることがないか検証しないといけない」(県幹部)などとする見方や、米軍が基地外で活動することで住民生活へ影響が出ないか懸念する声も上がっている。
 発表によると、那覇市での巡回は4軍の代表4人を1チームとする計3チームが午後10時から午前5時半まで実施するとしている。深夜外出禁止が順守されているか確認する。巡回する隊員は私服を着用する。
 米軍の巡回地域拡大に懸念の声もある。県幹部は21日「米軍が今の状況を深刻に受けとめている表れだ」とした上で「手放しで『おやりになりなさい』ということではない」と強調。巡回が、基地外で米兵犯罪が起こった際に地元警察の活動に影響がないか懸念されることも指摘した。県内では10月16日、米海軍兵による集団女性暴行致傷事件が発生。同19日に在日米軍が深夜外出禁止令を出したが、11月2日に読谷村で住居侵入中学生傷害事件、同18日には那覇市で住居侵入事件が発生、いずれも禁止令を破った米兵が起こした。