赤犬子宮で奉納舞踊 繁栄願いパレード


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公民館から赤犬子宮まで歩いてパレードする楚辺区民ら=3日、読谷村楚辺

 【読谷】読谷村楚辺区(池原憲彦区長)は3日、三線歌謡の始祖とされる赤犬子をたたえ、区の繁栄を願う「赤犬子スーギ(御願)」を同区の赤犬子宮で開いた。

青年会、子ども会など約50人が参加した。公民館から同宮までを約30分かけて、どらや太鼓を鳴らしてパレードし、歌や踊りを奉納した。
 言い伝えによると、赤犬子は約500年前に楚辺村に生まれ、クバの葉柄を棹(さお)に、馬の尾を弦にして三線を考え出した。各地を巡り歩いて歌と三線を広め、楚辺に稲、麦、粟、豆、キビの五穀を持ち帰った。
 スーギは赤犬子の命日とされる旧暦9月20日の前後に、区民の健康と五穀豊穣(ほうじょう)を願い数百年前から行われている。例年公民館からは車に乗りパレードするが、公民館から歩いたのは戦後初めてという。
 同区顧問の池原玄夫さん(78)が祈りをささげた後、古典音楽愛好会の演奏で「かぎやで風」や「イリベーシ」などの踊りが奉納された。
 池原区長は「区誌を参考に昔を再現して公民館から歩いた。たっぷりお祝いしましょう」と呼び掛けた。