善行児童に米盛さん 「最上級生」を2年半


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清掃時間に下級生と仲良く草刈りする米盛夢姫さん(左端)=21日、石垣市立平久保小学校

 【石垣】石垣市立平久保小学校(安和守光校長)6年の米盛夢姫(いぶき)さん(11)がこのほど、県退職校長会が選ぶ善行児童に選出された。同校は全校児童8人の小規模校。米盛さんは4年生の時に上級生がいなくなったため、2年半も「最上級生」としての役割を担い、下級生の面倒を見てきた。

 下級生から「夢姫ねえちゃん」と親しまれる米盛さん。給食時間も休み時間も周りに児童が集まり、一緒になって楽しく遊ぶ。一人っ子だが、弟や妹のように下級生と接している。
 毎日の清掃活動も熱心。優しい口調で下級生をリードし、丁寧に作業を行う。清掃時間が過ぎて休み時間に食い込んでしまっても、丁寧に根気強く美化活動に取り組む真面目で穏やかな性格だ。
 同校は伝統で5、6年生が獅子舞を受け継いでいたが、米盛さんは上級生がいなくなった4年生のころから大役を引き継いだ。地域の指導者から熱心に学び、学校行事や地域の豊年祭で披露。伝統を絶やすことなく受け継ぐことができた。
 複式学級で自習時間も多いが、1人でもしっかりと学習を進め、学力調査では常に上位の成績。同級生がいないため、児童会長も3年間務めた。
 米盛さんは「最初は最上級生としての意識がなかったけど、先生や他の子の協力で楽しく過ごすことができた。今は最上級生を意識し、考えながら動いている。賞をもらえたのはみんなのおかげ。とてもうれしい」と話し、責任感の強さをにじませた。
 母親の美奈子さん(37)は「なんでも素直に取り組んでくれて良かった。先生の助言に感謝したい」と話した。(稲福政俊)