復興 名護を手本に 東ティモール研修生、基盤整備 振興策学ぶ


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戦後復興の過程などについて、真剣に講話を聞く研修生=21日、名護市役所

 【名護】国際協力機構(JICA)青年研修事業東ティモール経済行政(産業振興)コースの一環として、東ティモールの研修生20人が21日、名護市役所を訪れ、戦後の復興過程などを学んだ。研修には東ティモールの政府関係者や非政府組織(NGO)の幹部候補生ら若手が参加。名護市企画調整課の金城進さんと同商工観光課の平川洋一郎さんが講話した。

 金城さんは戦後復興に当たり、現在の基礎となる区画整理事業を実行した比嘉宇太郎元町長の業績を例に「当初は官主導だったが、現在は民間、企業中心に変化しつつある」と指摘。また10年ごとの振興計画では自然と人の共生が名護市のまちづくりの原点にあるとして「都会とは逆の立場で自然を活用して生活基盤をつくる」と逆格差論を紹介した。
 東ティモールは2002年にインドネシアから独立した。
 研修参加者からは「振興計画の終了後、評価や監査は行われているのか」「区画整理で個人の権利がどのくらい制限されるか。紛争解決はどうなるか」などの質問があった。
 平川さんは現在の名護市の観光振興策などを話した。
 研修は28日まで約1カ月行われ、参加者は同国の産業振興に向けた企画案をまとめる。