オスプレイ全面運用へ CH46、キンザーに移動


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
米軍普天間飛行場から移動し、倉庫に入る米海兵隊のCH46中型ヘリ=26日午後0時21分、浦添市のキャンプ・キンザー

 【中部】米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの沖縄配備に伴い、在沖米海兵隊は26日、現行機CH46中型ヘリ4機を退役させるため普天間飛行場から浦添市・牧港補給地区(キャンプ・キンザー)に移した。

同日、海兵隊や沖縄防衛局が明らかにした。CH46の移動は8月以来約3カ月ぶりで、計10機が移動を済ませた。防衛局によると、27日にも2機移動する予定。これによりオスプレイとの交代を完了する。26日、オスプレイは昼すぎから夜にかけて少なくとも25回、普天間飛行場で離着陸や周回飛行を行った。県民の配備中止の訴えをよそに、オスプレイの全面配備・運用に向けた動きが着々と進んている。
 26日、CH46は普天間飛行場でタッチアンドゴーなどの訓練を行う一方、午前は2機、午後は2機がキャンプ・キンザーに移動した。浦添市は同日、防衛局から連絡を受けた。
 CH46の飛来で浦添市屋富祖の国道58号周辺ではプロペラの騒音が何度も響き、同市には「飛行場じゃないキンザーに、ヘリがなぜいるのか」という市民の戸惑いの声も寄せられた。
 海兵隊が作成した環境審査書には「既存のCH46Eを退役、武装解除、解体させ、キャンプ・キンザーで再利用のための加工を実施する」としている。
 この日は、上空を厚い雲が覆う悪天候だったものの、正午すぎから午後7時8分ごろまでオスプレイの訓練が確認された。
 2機がそれぞれ約15分間隔で普天間上空を飛来したほか、那覇市上空でも飛行が確認されたことから、管制官の情報を受けて飛行する「GCAボックス」と呼ばれる経路を周回する訓練が実施された可能性が高い。
 那覇市では午後1時から同7時ごろにかけて、新都心地域の上空などを頻繁に飛行。雲に隠れ、鈍い羽の回転音のみが響き渡ったり、低空で飛行したりする場面も見られた。那覇市役所には市内上空を飛行するオスプレイの目撃情報が市民や職員から計約10件寄せられた。市民からは悪天候の空を飛ぶオスプレイに、不安の声もあったという。
 オスプレイが配備後初の日曜の飛行を実施した25日、県と市の騒音測定調査では、同市上大謝名公民館で午後3時30分ごろに91・1デシベルを記録した。