オスプレイ本格運用 米司令官明言、本土で低空訓練へ


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アンジェレラ司令官(空軍中将)

 【東京】在日米軍のアンジェレラ司令官(空軍中将)は6日、東京都内で記者会見し、米軍普天間飛行場に配備された12機の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが1日から本格運用に入ったことを明らかにした。

在日米軍幹部は琉球新報に「1日から完全運用能力を備えている」と述べ、実戦配備が可能になる本格運用が開始されているとした。日本本土上空での低空飛行訓練については「そう遠くない将来に実施される」と説明。今後、オスプレイの運用が拡大していくとみられる。
 司令官は、普天間配備のオスプレイ12機について「この約2カ月間、安全な飛行を重ねてきたことを誇りを持って報告できる。完全な運用能力を備えるに至った」と明言。さらにオバマ政権の「アジア最優先」戦略を進める上で、有用な装備と強調した。
 日米両政府が合意した安全確保策に違反する飛行が繰り返されているとの批判には「どこを飛行しているのか分かっており、確認した。合意を順守していると信じる」と主張。今後も運用をめぐる懸念解消に努めるとともに、沖縄県を訪問して仲井真弘多知事に直接、説明する意向があると述べた。
 日本本土での低空飛行訓練については、安全高度150メートル以上での飛行や、原発や人口密集地上空の飛行を回避するとの日米間の合意を守るとした。
 米軍の環境審査書によると、同訓練は本州、四国、九州の計6ルートで行われる。そのほか中国山地とされるルートの使用も想定されている。
 普天間配備の12機のうち3機は米領グアムで11月末に始まった軍事演習に参加する予定で、普天間配備後、日本国外では初の訓練参加となる。
 司令官は、沖縄県が求める日米地位協定の改定については「米国人に対する平等な扱いが確保されており、改定する必要はない」と改定を否定した。