キングス連勝止まる bjリーグ第16戦


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福岡―キングス 第1Q、リング下からシュートを狙うアンソニー・マクヘンリー(右)=9日、山口県宇部市の俵田翁記念体育館(平安太一撮影)

 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=15勝)は9日、山口県宇部市の俵田翁記念体育館でライジング福岡(同地区4位=10勝7敗)と第2戦を行い、74―86で敗れ、リーグ連勝記録の更新は果たせなかった。

ゲームは1点を争う接戦となり、キングスがリードする場面もたびたびあった。しかし、第4クオーター(Q)最終盤に福岡が連続で得点を決め、勝敗が分かれた。これまでの連勝記録は2005―06シーズンの新潟アルビレックスBBと10―11シーズンの浜松・東三河フェニックスが持つ15連勝。キングスは8日に福岡に勝利して、連勝記録に並んでいた。キングスの次戦は15、16の両日、宜野湾市立体育館で島根スサノオマジックを迎えてホーム戦を行う。

ライジング福岡(11勝7敗)
86―74(21―16,11―19,24―22,30―17)
琉球ゴールデンキングス(15勝1敗)

 【評】記録更新には至らなかったが、今後につながる敗戦だった。序盤から福岡にペースを握られる場面があったが、粘り強く加点して流れを渡さない底力を見せた。シュートの決定力やサイドの守備、リバウンド処理などに課題があり、今のチームに足りない部分も浮き彫りになった。15連勝でキングスの強さは証明できた。連覇という大きな目標を達成するため、敗戦を糧にしてさらなる強さを追い求めることを多くのファンは望んでいる。(平安太一)

◆負けに大きな意味
 遠山向人HC(キングス)の話 記録を更新できなかったのは残念だが、勝つときもあれば負けるときもある。長いシーズン、下を向いている暇はない。負けたことは大きな意味がある。チームは今よりもっと強くなれるし、もっとうまくなれるはずだ。

◆シュート決定力に課題
 第4Qの最終盤。残り試合時間は1分を切っていた。キングスのビハインドは12点。並里成と金城茂之が連続で3点シュートを狙うも、ボールはことごとくリングにはじかれた。なかなか得点できない、この日のゲームを象徴するような場面だった。そして、試合終了を告げるブザーが響き渡った。
 試合の流れは何度もキングスに傾きかけた。第1Qでリードを許すも、第2Qで逆転。第3Qには小菅直人の3点シュートがブザービートになり、第4Qの序盤は勢いをそのままに福岡を引き離した。山内盛久も4スチールを決め、福岡の勢いを何度も止めた。
 しかし、最終的に勝敗を分けたのはシュートの決定力だった。テレンス・ウッドベリーやアンソニー・マクヘンリーらのポイントゲッターがリング下に攻め込むも、激しいプレッシャーを仕掛けてくる福岡ディフェンスの前に苦しんだ。何度も訪れる得点機をものにできないキングスに対し、福岡は最終盤に連続で得点を奪い、勝負を決めた。
 「リードされている時間帯のシュートに焦りがあったし、逆転した後の守りが今までと違った」。小菅は肩を落とすが「接戦の試合に勝てる力はある。シーズン初の負けを忘れず、次の試合につなげる」と前を向く。
 並里成は「今日はみんながチームプレーに徹していて、決して悪い内容ではなかった」と説明。「負けをいい経験にする」と力を込め、再び連勝記録に臨む決意を見せた。
(平安太一)