洞ノ上(脊髄損傷ハーフ)初優勝 ぎのわん車いすマラソン


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ガッツポーズでフィニッシュする初優勝の洞ノ上浩太=宜野湾海浜公園歓会門前

 【宜野湾】宜野湾市制施行50周年記念事業、全労済カップ第24回ぎのわん車いすマラソン大会(主催・同実行委員会、共催・宜野湾市、市教育委員会、市社会福祉協議会、琉球新報社、特別協賛・全労済県本部)が9日、宜野湾海浜公園を発着点に開かれ、ハーフマラソン・脊髄損傷の部で洞ノ上(ほきのうえ)浩太(福岡県)が46分10秒で初優勝した。

2位には渡辺勝(福岡県)が入った。けい髄損傷の部では県勢の上与那原寛和(沖縄市)が4連覇。女子はけい髄損傷の部の木山由加(岡山県)が昨年に続き1位となった。5キロ手動の部は15歳の大城勇太(国頭村)が2位以下を引き離し初優勝した。

◆走り安定 経験の差/洞ノ上
 ロンドンパラリンピック日本代表の洞ノ上浩太が安定した走りを見せ、経験の差を見せつけた。2人で大会に乗り込んだ福岡勢の渡辺勝と思惑通りのワンツーフィニッシュだった。勝利が見えたのは一つ目の折り返し地点を過ぎた3キロすぎ。前を走る渡辺を捉え、ペースを上げた。
 想定外だったのは、ゼッケン番号が36番と後方でのスタートだったことだけだ。1車線の狭いコースで思うように前に進めなかったが「実力を出せれば問題ないと思っていた」と言う通り、落ち着いて選手たちを抜き、折り返し地点を過ぎた。
 「世界ではチーム戦が重要だ」と語る洞ノ上。この日も渡辺との連携を意識した。向かい風を受ける4キロ地点、頭一つ抜け先行する渡辺に追い付く際、横には前回優勝の西田宗城(ひろき)ら3選手が付いていた。「全員でトップに追い付くと面倒なことになる」とここで勝負をかけ、一気に爆発力を発揮。
 後続を順調に引き離した2人は、3位以下に100秒以上の差をつけた。「風がきつくなかなかスピードが上がらなかったが、とにかくワンツー(フィニッシュ)したかった」とひと安心。6位だったロンドンパラリンピックから調子が戻らないが、来年の世界選手権、そしてリオデジャネイロパラリンピックでのメダル獲得へ向け前を向く。