失速、キングス連敗 bjリーグ第17戦


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キングス―島根 第3Q、島根のジェラル・デービス(左)にシュートをブロックされるジェフ・ニュートン=15日、宜野湾市立体育館(諸見里真利撮影)

 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=15勝1敗)は15日、宜野湾市立体育館で島根スサノオマジック(同地区3位=11勝7敗)と今季第17戦を行い、68―73で敗れ、今季初の連敗を喫した。同地区の首位は維持している。

キングスは序盤から度重なるチャンスに思うように得点できず、31―30の1点差で前半を折り返した。後半も決定力不足を解消できず、島根に逆転を許した。島根との第2戦は16日午後1時から同体育館で行われる。

島根スサノオマジック(12勝7敗)
73―68(15―11,15―20,21―20,22―17)
琉球ゴールデンキングス(15勝2敗)

 【評】2ポイントシュート数はキングスが63本で、島根の48本を大きく上回った。しかし、決定率で見るとキングス33・3%、島根が54・2%と大きな差がつき、勝負を分けた。また、キングスのフリースロー決定率は44・4%と5割を切った。スチールやターンオーバーで何度も好機をつくったキングスだが、フィニッシュで得点を決められない歯がゆい場面が多かった。前回の福岡戦でも浮き彫りになった決定力不足の克服は、今後の大きな課題になる。(平安太一)

◆明日は執念でプレー
 遠山向人HC(キングス)の話 ジェラル・デービスというビッグマンのブロッカーに突っ込むなど、賢いプレーができていなかった。また、大切な場面でフリースローが外れ、オフェンスリバウンドを取られすぎた。ショットも偏っていた。あすは(課題を)修正して。執念でプレーしたい。

◆全員が自分の役割
 ジェリコ・パブリセビッチHC(島根)の話 キングスとはまだまだ力の差があるが、賢いプレーで勝利できた。チーム全員が自分の役割を果たして勝利に貢献していたと思う。われわれのような若くて経験の少ないチームにとって、勝利は自信につながる。

◆決定力不足に泣く
 観客のため息が何度も場内を包んだ。勢いよく相手コートに攻め込んでも、最終的にボールがリングをくぐらない。1点を争う場面ではフリースローが外れ、決定力不足という今のキングスの課題が如実に表れた。ホーム初の黒星に、遠山向人ヘッドコーチは「負けてはいけない試合だった。残念だ」と厳しい表情を見せた。
 序盤から重苦しい雰囲気がコートを包んでいた。持ち味の速攻や素早いパス回しは精彩を欠き、リング下に切り込んでも身長216センチの島根のジェラル・デービスが大きく立ちはだかった。第2クオーター(Q)からコートに立ったテレンス・ウッドベリーが得点を重ねたが、試合の流れを引き寄せるまでには至らなかった。
 課題の多い試合だったが、守備では小菅直人の好プレーが光った。5スチールを決め、島根が攻め込む場面では激しいプレッシャーで勢いを止めた。小菅は「ディフェンスは悪くなかった」と振り返るも「守りの後のオフェンスはもっとチームで(ボールを)支配すべきだった。それができていれば点が取れたはず」と反省点を指摘する。
 ウッドベリーは「終盤のフリースローで勝負の明暗が分かれた」と肩を落とす。自身も多くのフリースローを外したことに触れ、「決めていたら違う結果になっていたはず。明日は必ず決める」と力を込めた。(平安太一)