沖縄問題解決に期待 政権交代、県民の声


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 16日に投開票された衆院選で、自民党が単独過半数を獲得し政権を奪還、公明党との連立政権が発足する運びになった。選挙から一夜明けた17日、県民からは、新たに誕生する政権に対し、景気対策や離島振興、基地問題の解決を望む声が上がった。

再び政権が交代したことに「あまり期待できない」「昔の政治に戻るのか」との懸念の声もあったが「オール沖縄で公約実現を」と県出身・選出議員同士で協力し合って、沖縄のさまざまな問題の解決を願う声も強かった。
 宮古島市の獣医師、友利和博さん(70)は「自民が勝ったというより、民主がこけて他の野党も分裂してぼやけたという印象」と感想を話した。新政権には「やはり景気対策をしっかりしてほしい。原発や平和などももちろんしっかりやってほしいが、景気が良くならないと雰囲気も暗くなる」と求めた。
 消費増税に言及したのは那覇市の大城香さん(40)=主婦。「税率を上げるのは財政的に仕方ないが、お役所関係の無駄遣いが減らなければ意味がない」とくぎを刺し「上げた分は福祉や子育てなど、使い道をしっかりしてほしい」と注文を付けた。基地問題には「もう少し米国側と対等に話ができるようにしてほしい」と望んだ。
 「島は仕事が少なく、若者が戻ってきたくても戻れない現状がある。離島をもっと盛り上げて」と、久米島観光協会の大村健太さん(26)は、離島振興に期待をかける。
 再び政権が交代したことに久米島町の吉原雪枝さん(41)は「果たして何が変わるか。取りあえず、政治家同士の足の引っ張り合いはやめてほしい」と話し“決められない政治”からの脱却を願った。
 金武町中川区の宜志富司区長(46)は「保守も革新も米軍普天間飛行場の県外移設では差があまりなかったので、県選出議員は国政の場でも協力し、オール沖縄で公約を実現してほしい」と語った。自民党の政権奪還には「今までの自民党から脱皮して、国民のためになる活動を望んでいる」と話した。
 石垣市の会社経営、崎原用正さん(80)は「自民党は経済対策に公共事業の拡大を掲げていたが、これでは子や孫の世代に付けを残すだけだ」と強調。「自民党が60年間蓄えた政治の垢は3年間では落ちなかった。また昔の政治に戻るのかと思うと残念だ」と話した。