キングス連敗脱出 bjリーグ第19戦


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キングス―浜松 第4クオーター、リング下からシュートを狙うアンソニー・マクヘンリー=22日、沖縄市体育館(渡慶次哲三撮影)

 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=15勝3敗)は22日、沖縄市体育館で浜松・東三河フェニックス(同地区2位=15勝7敗)と今季第19戦を行い、82―75で勝利、連敗を3で止めた。

キングスは立ち上がり、内外を効果的に攻め分ける浜松に苦しめられ、32―44で前半を折り返した。第3クオーター(Q)は一転してキングスペースで試合が進み、逆転に成功。第4Qも激しい守備からリズムをつかみ、勝利を手にした。キングスは同地区の首位を維持し、2位に浮上した島根とのゲーム差は3。浜松との第2戦は23日午後6時から同体育館で行われる。

琉球ゴールデンキングス(16勝3敗)
82―75(17―28,15―16,33―12,17―19)
浜松・東三河フェニックス(15勝8敗)
 【評】前半は攻守ともに精彩を欠いたキングスが後半にかけて修正し、逆転勝利をつかんだ。第2Qまでは素早く展開する浜松の攻撃を抑えられず、ミスも重なり大きく点差を広げられた。しかし、前半の終盤から徐々に動きに切れが出始め、後半は激しいディフェンスから攻撃につなげる本来の持ち味を取り戻した。シュート成功率などまだまだ課題も残るが、王者の実力を存分に見せつけての勝利だった。(平安太一)

◆必ず勝ちたかった
 遠山向人HC(キングス)の話 昨シーズンのファイナルと同じ顔合わせで、チームは連敗中だったので必ず勝ちたかった。第2Qの中盤から修正して、いいペースでゲームができた。メンタル的にもタフなゲームだったが、選手がよく頑張って沖縄のファンに勝利を届けられた。

◆明日は勝ちに行く
 河合竜児HC(浜松)の話 前後半でゲームの内容が入れ替わった。後半は選手がプレッシャーに対して逃げ腰になって自滅した。もっと向かっていけば違う展開になっていたはずなのに、もったいない。明日は逃げることなく戦って、勝ちに行きたい。

◆王者の底力/気持ち鼓舞 後半逆転
 連敗中の暗雲を吹き飛ばす鮮やかな逆転劇だった。決定力不足や好機でのミス、リバウンド取得数の低さなど、敗戦で浮き彫りになった課題がそのまま表れた前半、一時は18点差をつけられた。「チームは崖っぷちに立たされた。そこで戦うのか転げ落ちるかという場面で、僕らは戦う方を選んだ」。ジャーフロー・ラーカイの言葉は、王者の底力を感じさせた。
 前半は浜松の圧倒的な勢いに押されていた。連敗中の嫌なムードを引きずる選手らの動きには硬さも見られ、攻め込んでいる場面でも得点を奪えずに、ミスから失点を重ねていた。ラーカイは「気付かないところで自分たちにプレッシャーをかけていた」と反省する。
 重苦しい雰囲気を吹き飛ばしたのは、アンソニー・マクヘンリーだった。次第にキングスの守備が機能し始めた前半の終了間際、山内盛久のスチールから速攻を仕掛け、ブザーとほぼ同時にボールをリングにたたき込んだ。後半は勢いをそのままに、激しいプレッシャーで浜松の攻撃陣に仕事をさせず、リバウンドやターンオーバーからの攻撃で得点を重ねた。
 「前半は劣勢だったが、ディフェンスをよくしようと意識していた」とマクヘンリー。「守備のいい流れがオフェンスにもつながった」と満足げに話した。(平安太一)