キングス 逆転で連勝 bjリーグ第20戦


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キングス―浜松 第3Q、3ポイントシュートを放つ並里成=23日、沖縄市体育館(渡慶次哲三撮影)

 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=16勝3敗)は23日、浜松・東三河フェニックス(同地区4位=15勝8敗)と第2戦を行い、85―82で勝利した。

キングスは序盤から速攻で得点を重ねたが、浜松も外側から得点を重ね、37―40で折り返した。後半は両チームが激しい攻防を繰り広げ、1ゴールを争う展開になった。キングスは82―82の同点で迎えた試合終了間際に並里成の3ポイントシュートがブザービートになり、勝ち星をつかみとった。西地区首位のキングスと2位の島根とのゲーム差は3のまま。キングスの次戦は1月2、3日に那覇市民会館に京都ハンナリーズを迎え、2連戦を行う。

琉球ゴールデンキングス(17勝3敗)
85―82(24―24,13―16,19―21,29―21)
浜松・東三河フェニックス(15勝9敗)

 【評】キングスが得意とするハードな守備と早い展開の攻撃を見せた。序盤からゾーンディフェンスが機能し、浜松のリング下への攻撃をことごとく阻んだ。リバウンドへの対応もうまくいっていた。攻めてはコートを広く使ったパスで相手ディフェンスを翻弄(ほんろう)し、得点を奪った。一方で細かいミスもところどころに見られ、得点機を逃す場面もあった。(平安太一)

◆選手と観客のみんなが笑顔に
 遠山向人HC(キングス)の話 昨日、今日とタフなゲームだったが、沖縄のファンの声援が僕たちのシュートを決めてくれたと思う。選手や観客に勝ちたい気持ちがあって、みんなが笑顔になれて良かった。今後もいろんなキングスを表現できるようにチャレンジし続けたい。

◆ゼロからはい上がる
 河合竜児HC(浜松)の話 こういうゲームで勝てないのは自分の責任だ。選手はよく頑張ってくれた。選手をたたえたい。ここからどう切り替えて立ち直るかが次の課題になる。またゼロからはい上がりたい。

◆並里 劇的3P 鮮やかにブザービート
 試合終了まで10秒を切っていた。アンソニー・マクヘンリーは軽く目を上げて残り時間を確認すると、アウトサイドに走り込んできた並里にパスを出した。浜松ディフェンスが反応するよりもわずかに早く、ボールは並里の手を離れた。電光掲示板の残り時間はゼロを示し、会場にブザーが鳴り響く。同時に、ボールはリングに吸い込まれた。「決めた瞬間『どうだ』って思った」。勝負を決するブザービートを決めた並里は白い歯をのぞかせた。
 昨季、キングスと王者を争った浜松は簡単に勝たせてくれなかった。第1クオーター(Q)から効果的に浜松の攻撃を阻んでいたが、第2Qにかけて徐々に得点を奪われるようになった。「いろんな守備を試していたが、相手が慣れてきた」と遠山HC。それでも、金城茂之が要所で3ポイントシュートを決め、流れを渡さなかった。
 最終の第4Qは5点ビハインドで迎えた。並里は「ここからは気持ちの勝負。どちらが勝ちたい気持ちが強いか。それが結果につながる」と気合を入れた。一時は逆転したが、最終盤で同点に。それでも集中力は切れなかった。「プライベートでも仲が良い」という並里とマクヘンリーとのコンビネーションが劇的な勝利を呼び寄せた。「チームメートが自分を信じてくれた。感謝の気持ちを伝えたい」。2012年最後の試合を勝利で終え、並里は満足そうに目を細めた。(平安太一)