新崎(美来工科)バンタム制す ボクシング県高校選手権


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 ボクシングの第49回県高校選手権大会(主催・県アマチュアボクシング連盟、共催・県高校体育連盟、琉球新報社)最終日は23日、糸満市の沖縄水産高校で8階級の決勝を行った。最多の19人がエントリーしたバンタム級は新崎修平(美来工科)が頂点に立ち、最優秀選手に選ばれた。フライ級は比嘉大吾(宮古工)が2連覇を飾った。

◆身長とリーチ生かす
 バンタム級決勝は、11月の県高校新人王の新崎修平(美来工科)が、同級で夏のインターハイに出場した上原大尊(沖水)を1ポイント差で制した。「大尊が相手で相当緊張した。たまたま自分が勝てた」。そう言い、安堵(あんど)の笑みを見せた。
 準決勝の上原の戦いぶりを見て、右のカウンターと左フックを警戒。身長と長いリーチを生かして距離を取り、上原が打ち込んできたところを得意の左ストレートで合わせた。手数は上原が勝ったが、ガードを上げることで強打を防いだ。
 県新人大会前には、合同練習をした仲。1月の九州新人では、バンタム級に新崎が、上原は1階級軽いフライ級に出場することから「九州に向けていい戦いをしようと言い合った」と話す。
 上原は昨年の九州新人準Vの実力者。全国中学チャンピオン仲里周磨(中部商)との準決勝も大きなヤマ場だったといい、経験値の高い強豪を相次いで倒したことで、自信が深まった様子。「ガードと距離感が前よりうまくなっていた」(上原)、「カウンターがうまかった」(仲里)との2人の言葉にも、新崎の確かな成長ぶりがうかがえる。
 当の本人は「左カウンターをもっと完璧に決められるよう、すぐ練習を始めたい」。2冠に浮かれることなく初の九州を見据えていた。
(新垣梨沙)

◆上原、有効打で雪辱
 ライト級決勝は、11月の県高校新人と同じ顔合わせ。得意の右アッパーなどで有効打を稼いだ上原拓哉(南風原)が、望月嘉人(沖尚)を判定で下し、1カ月前の雪辱を果たした。
 距離を取るアウトボクシングがスタイルだが、ファイター系の望月との連打戦にも果敢に挑み、時にはクリンチでパンチを封じた。「練習した」という左ストレートからの右フックも決まり「集中力を切らさずできた」と笑みを見せた。
 大会前の約3週間、レスリング部と走り込みや筋トレを行い、スタミナアップに努めた。九州新人は、Bパートで出場。「走って体力も付いている。来年の全国総体につながる戦いをしたい」と気を引き締めた。

バンタム級決勝 3回、上原大尊(左)と打ち合う新崎修平(美来工科)=23日、糸満市の沖縄水産高校(金良孝矢撮影)
ライト級決勝 2回、望月嘉人(左)に右フックを放つ上原拓哉(南風原)