平和考えメッセージ 「悲しみ、苦しみを希望に」


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jimamaさん(左)と糸満中3年生の合唱でフィナーレを飾った平和講演会&コンサート=23日、糸満市のサザンビーチホテル&リゾート

 【糸満】「伝えたい…平和へのメッセージ 平和講演会&コンサートinいとまん」(糸満市主催、琉球新報社共催)が23日、同市のサザンビーチホテル&リゾートで開かれた。

約400人が詰め掛け、新城俊昭さん(沖縄大学客員教授)の平和講演、歌手jimamaさんの歌を通し、平和の大切さを考えた。
 オープニングは糸満中3年生がダンスや棒術などを交え「平和の語り」を披露。「人々の悲しみ、苦しみを希望に変え、優しさと誇り高き心を受け継ぎ、新しい風はここから吹いていく。世界へ」とメッセージを発信した。
 新城さんは、沖縄戦は過去の悲惨な出来事ではなく、今も75歳以上の高齢者の多くが、戦争PTSD(心的外傷後ストレス障害)の疑いがあると指摘し「沖縄戦は終わっていない」と強調した。
 また「戦後世代は戦争を起こした責任はないが、戦争の結果の責任を負っている」とし「過去の戦争に向かい合い、それを教訓として後世に伝えることに沖縄戦を学ぶ意義がある」と語った。
 コンサートにはjimamaさんが登場。ヒットソング「でいご」「大丈夫」や白旗の少女・比嘉富子さんの本から生まれた「命の花」などを伸びやかな歌声で熱唱。フィナーレは糸満中3年生と一緒に「旅立ちの日に」を合唱し、会場から大きな拍手が送られた。