コザ高に速い展開徹底伝授 NZ出身コーチ・イーリさん


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コザ高の選手を指導するマーク・イーリコーチ(右)=沖縄市のコザ高グラウンド

 コザ高に本場ニュージーランドの速いテンポの展開ラグビーをたたき込んだのが、ニュージーランド人コーチのマーク・イーリさんだ。3年前から定期的に沖縄を訪れ、基本から、サインプレーの技術などを教えてきた。

今月21日までに指導の全日程を終えたイーリコーチは、花園でコザ高の勇姿を見届けた後、ニュージーランドに帰国する。「昨年に比べ、パワーも技術も桁違い。自分たちの力を出し切ってほしい」と「教え子」の奮闘に期待を込める。
 ニュージーランドで翻訳業に就くイーリさんは、日本選手のニュージーランド遠征で通訳を務めてきた。息子はラグビートップリーグのパナソニック・ワイルドナイツで、SHとして活躍するニコラス・イーリ選手だ。
 イーリさんの指導技術を見込んだ當眞豊監督が、3年前、沖縄に招いた。昨年は約10回、今年は40回以上のセッションを通して、ハンズアップやコーリングなどの基本から、ハンドリング(ボールの扱い)技術などを指導。短時間でいくつものトレーニングを取り入れ、早い展開でボールを回す攻撃力などを磨いてきた。
 「目指してきたのは、ニュージーランドのラグビーチーム・オールブラックスのような展開ラグビー」とイーリコーチ。「指導を受けたことで、選手のハンドリングのミスが圧倒的に減った」と、當眞監督も絶大な信頼を寄せる。
 SO桑江健一郎は「マークさんの指導で、走るラグビーを磨いてきた。走ってつないで、チーム目標の8強をつかみたい」と決意を語る。FL上里光主将は「技術面だけでなく、人間としてのものの考え方やラグビーの精神を教わった」と感謝し、花園での善戦を誓う。
 イーリコーチは「最初の10分で、自分たちの速いラグビーをどれだけできるかが鍵。相手を圧倒するラグビーをやってくれると思う」と期待を寄せた。