コザ16強逸す 全国高校ラグビー


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コザ―大阪朝鮮 力強い突破で相手インゴールを目指すSO桑江健一郎=30日、大阪の花園ラグビー場(平安太一撮影)

 全国高校ラグビー大会第3日は30日、東大阪市の花園ラグビー場で2回戦16試合を行い、県代表のコザは3―45で大阪朝鮮高(大阪第2)に敗れ、16強進出を果たせなかった。

コザは序盤から自陣に何度も攻め込まれたが、堅守で粘って攻撃につなげた。しかし、力で押し込んでくる大阪朝鮮を最後まで崩せなかった。史上3校目の4連覇を狙うAシードの東福岡は102―0で遠軽(北北海道)に大勝し、3回戦に進んだ。Aシード勢は常翔学園(大阪第1)が70―0で萩商工(山口)に、秋田工も48―0で若狭東(福井)に快勝した。第90回大会で東福岡と優勝を分け合い、2大会ぶりの頂点を目指す桐蔭学園(神奈川)や石見智翠館(島根)深谷(埼玉)などBシード10校は全て3回戦に進出。石見智翠館は長崎南山と26―26で引き分け、抽選の末に3回戦に進んだ。来年1月1日に3回戦8試合が行われ、ベスト8進出チームが決まる。

▽2回戦
大阪朝鮮高(大阪第2)
45―3(19―3,26―0)
コザ(沖縄)

 【評】モールなどから力で押し込んでくる大阪朝鮮を相手に、コザがグラウンドを広く使う展開ラグビーで立ち向かった。前半は素早いパス回しから好機をつくり、相手インゴールに迫った。しかし、大阪朝鮮の強力なプレッシャーの前に攻撃を止められた。前半4分に相手反則で得たペナルティーゴールをSO桑江が決めて得点。しかし、最後までトライを奪えなかった。後半は細かなミスが目立つようになり、点差を広げられた。
(平安太一)

◆体張り積極プレー/大差も持ち味出し切る
 強豪校を相手に、コザの選手は一歩も引かなかった。展開ラグビーでグラウンドを広く使い、走って得点を狙う持ち味を存分に見せた。主将の上里光は「悔しかった」と敗戦に肩を落とす。それでも「チームがよく頑張って、最後は伸び伸びとプレーしていた」と全力を出し切ったことを強調する。
 試合は序盤から大阪朝鮮のペースで進み、コザは何度も自陣に攻め込まれた。しかし、ボールを奪うと素早くパスを回し、SO桑江健一郎やWTB當眞皐が力強く相手ディフェンスを突破した。桑江は「去年の大会はパスに逃げていたけど、今年は積極的にボールを前に持って行くことができた」と納得の表情を見せた。
 1回戦で見せた守備の堅さも光った。インゴールに迫る相手選手に対し、バックス陣が低く鋭いタックルを仕掛け、数々のピンチをしのいだ。突破を試みる相手選手の足元に何度も飛び込んだCTB勝連公嗣は、「ディフェンスから攻撃につなげて1点でも取ろうと思った」と強調。「もう少し行けたと思うので満足していない。それでも最後まで楽しくプレーできた」と振り返った。
 結果は3―45。点差は離されたが、選手らは最後まで全力で走り切った。「3年間やってきたことをゲームに生かせた。胸を張って花園を後にしたい」。桑江は力強く語った。(平安太一)