人口150万人目標 県が増加計画策定


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沖縄県の人口予測

 県は2025年がピークと試算される県人口の減少を食い止め、逆に増加を続けることで県の活力とする「沖縄県人口増加計画」を13年度に策定する。出生数拡大に向けた子育て支援やUターンなどの転入奨励、離島や過疎地域の人口流出防止など幅広い分野で諸施策を講じ、現在の140万人を150万人台に乗せる方向で一括交付金などを活用して重点的に取り組む。

新たな振興計画である沖縄21世紀ビジョンに追加して計画を盛り込むことも検討する。
 仲井真弘多知事は「人が減ると地域は急速に寂れる。いま増えているうちから人口減少を食い止めるだけでなく、上向きに持っていくことが沖縄振興のために重要だ」と話し、人口が減少している久米島などの離島をモデル地域として対策を講じる考えも示した。
 他県では出身者の帰郷を促すUターン支援や少子化対策など個別に取り組んでいる例は多いが、人口増加に向けた総合的取り組みは珍しい。
 全国的には05年ごろから人口減少社会に突入していると見込まれ、総人口1億2779万人(11年10月)が50年ごろには1億人を割り込み、60年ごろは人口の4割が65歳以上となると推計されている。
 総務省の調査でも11年は40道府県で人口減少が続き、人口が増えた7都県のうち、増加率トップは沖縄の0・59%だった。
 しかし、沖縄も出生率の低下などで144万人をピークに減少に転じる見込み。特に就業率の高い15~64歳の生産年齢人口は15年を境に減少するとされる。労働者の減少に伴う、県内総生産や1人当たり県民所得の低下も懸念される。
 また、1975年を100とした場合の人口でみると、本島中南部や八重山は伸びているが、宮古と、慶良間諸島、久米島などの南部離島は減少している。
 このため県は(1)子どもを産み育てやすい環境づくり(2)健康長寿対策(3)U、I、Jターン推進(4)離島・過疎対策(5)観光客数増―の5本を柱に計画策定する方向。堀一政策参与が全国各地の事例を調査するほか、年明けから企画部が福祉や労働、商工、観光など関係部局と勉強会を始める。(島洋子)

英文へ→OPG hopes to increase the population of Okinawa