総領事釈明に市長反発 事件続発、米が那覇市に謝罪


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(左から)事件を謝罪するアルフレッド・マグルビー在沖米総領事。在沖米総領事に、地位協定改定を求めた翁長雄志市長

 アルフレッド・マグルビー在沖米総領事は16日午後、那覇市役所に翁長雄志市長を訪ね、昨年末に那覇市内で相次いで発生した米兵による事件について「那覇市民に迷惑を掛ける事件があり、遺憾に思う。おわび申し上げる」と述べ、謝罪した。

これに対し翁長市長は「根本的な問題が解決しないと、良き隣人というわけにはいかない」と指摘、日米地位協定の改定や那覇軍港の早期返還を強く求めた。
 マグルビー氏は「人によっては、さほど大きくない犯罪でも大きく見られる」「米兵はほとんど若者で、立派な青年が多い」と釈明。これに対し翁長市長は、沖縄の過重な基地負担や米兵による事件・事故がなくならないことに言及し「1カ月くらい教育しても、沖縄は奪い取ったところだから手放さないという、上から目線で見ているのは否めない」と厳しく批判した。
 一連の事件について、米側が那覇市に謝罪するのは初めて。米兵事件をめぐっては、これまで首長らが米側に抗議・要請に出向く形となっていた。だが翁長市長は昨年11月、米側が説明・謝罪に訪れる形への転換を提起。那覇市へ米総領事館側から面談の打診があった際も、那覇市の主張を説明し、理解を求めていた。
 マグルビー氏の謝罪に対し翁長市長は、沖縄が戦後「大変過酷なものを背負わされてきた」と指摘。「日米地位協定の改定がないと、今後どういう形でおわびをされても、なかなか難しいことになる」と、不平等な地位協定の改定を強く求めた。
 翁長市長が「県民が怒る原因は何だと思うか」と問うたことに、マグルビー氏は「歴史の流れの総括だろう。県民の怒りは分かる」と述べた。
 また翁長市長が「那覇軍港は遊休地化している」などとし、那覇軍港の早期返還を求めると、マグルビー氏は「有事のためにある。いざというときは目いっぱい使う」と、早期返還に難色を示した。

英文へ→U.S. Consul-General apologizes to Naha Mayor for crimes