学校週6日制導入検討 県内で懸念の声


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 下村博文文部科学相が公立小中高校で土曜授業を実施する学校週6日制導入の検討を表明したことについて、県内の教育関係者からは16日、「時間を増やすだけでは学力向上につながらない」「家族と過ごす時間がなくなる」などと懸念の声が上がった。

 県教育庁の浜口茂樹教育指導統括監は制度導入について「教職員の労働条件等に一番の課題があるのではないか。教職員の増員や授業時数の配分等も考えていく必要がある」と話した。学力向上については「(児童生徒の)学校での時間を増やすだけでは学力向上にはつながらない。発達段階に応じた指導なども求められる」との見解を示した。
 県内の学童クラブの多くは土曜も開いており、子どもたちが遊んだり、運動をしたりして時間を過ごしている。県学童保育連絡協議会の知花聡会長は「子どもの時にしかできない子ども同士の遊びや部活、趣味、稽古事をする時間、家族と過ごす時間がなくなってしまう」と課題を指摘した。
 玉寄哲永県子ども会育成連絡協議会長は「子どもを健やかに育むには、家族や地域での社会教育活動が必要だ。週6日制の導入で社会教育活動の時間が失われてしまえば、子どもを取り巻く環境は悪化してしまうだろう」と導入に否定的な見方を示した。