オスプレイ、積載物落下 店舗屋根突き破る 米サンディエゴ


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 【米ワシントン18日=松堂秀樹本紙特派員】米カリフォルニア州南部のサンディエゴで17日、海兵隊仕様の垂直離着陸機MV22オスプレイから約19リットルのバケツが落下し、自動車修理店の屋根を突き破った上、車6台に被害が出たことが確認された。

オスプレイの元主任分析官のリボロ氏によると、オスプレイは気圧調整機能がない上、後部の視界を保つため飛行中も後部ハッチを開けた状態で飛行。同氏は「乗員や積載物をきちんと固定せずに飛行すると落下する恐れがある」と警鐘を鳴らした。
 サンディエゴのバケツ落下は、全米NBCテレビや現地テレビ局XETVなどが報じた。けが人はない。
 ミラマー基地によると、容器物はロープで固定されていたが、何らかの原因でほどけ、機体のドア部分か後部ハッチから落ちた可能性があるという。
 事故は、サンディエゴのミラマー基地所属のオスプレイが離陸した直後の16日午後7時ごろ、発生した。洗浄液入りのバケツが基地近くの自動車修理店に落下して屋根を貫通し、店内の車が損壊した。海兵隊が事故原因を調査している。
 17日朝、店の関係者が屋根の穴を発見。一部の車両が損傷し、数台に液体が飛び散った。有害な液体ではなかった。
 近くで働くトラック運転手は「(運が悪ければ)われわれのトラックに落ちていたかもしれない。危険だった」と話した。
 後部ハッチからの落下事故は2011年にもアフガニスタンで発生している。乗組員が高度約60メートルで飛行していた機体裏側から転落し、死亡した。リボロ氏は「オスプレイは飛行中も後部は開いたままなので、通常は積載物や乗員はしっかり固定されているが、今回の事故はそれが徹底されていなかった可能性がある」と述べ、人為的ミスとの見方を示した。

英文へ→Bucket falls from airborne MV 22 Osprey in San Diego