工期1年短縮で調整 那覇空港第2滑走路


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 【東京】那覇空港第2滑走路増設事業に関し、政府は仲井真弘多知事が7年の工期を5年に短縮するよう求めていることを受け、1年程度短縮する方向で調整に入った。

安倍晋三首相が最終判断する。2013年度の沖縄振興関連予算については、実質2940億円の概算要求額に対し、滑走路増設費用分などを積み増し、約3千億円規模の予算を目指す見通し。滑走路増設事業は13年度内に開始し、初年度分の事業費は約100億円程度で最終調整している。
 自民党沖縄振興調査会の川口順子会長と那覇空港滑走路増設に関するプロジェクトチーム(PT)の額賀福志郎座長は24日、官邸で安倍首相に、国交省や内閣府との調整を踏まえ約6年3カ月の工期短縮案を提案した。その上で「地元要望に完璧に応えていない」とし、さらなる短縮を求めた。仲井真知事は5年台までの短縮を求めており、首相判断次第では5年11カ月まで短縮される可能性もある。
 第2滑走路の総工費は約1900億円。13年度概算要求額は空港関連予算の沖縄分約74億円の内数だが、全国分からの工面も検討している。14年度以降の財源は、沖縄振興関連予算の活用も含め調整を続ける。工期短縮に当たって環境影響評価(アセスメント)のやり直しは行わない。
 川口氏らの要請に、安倍首相は「沖縄の自立した経済をつくっていくため那覇空港は大事だ。全面的に支持し、努力したい」と述べた。額賀氏は初年度の事業費について「沖縄の振興(関係費)には負担をかけないで初年度の予算は確保し着工にこぎ着けたい」と述べた。