那覇西(男子)3年ぶり 美里(女子)4連覇 サッカー県高校新人


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 サッカーの男子第47回・女子第20回県高校新人体育大会最終日は26日、県総合運動公園陸上競技場で男女の決勝を行い、男子那覇西が6―0で具志川を圧倒し、3年ぶり10度目の頂点に立った。

女子は美里がPK戦の末に糸満を下し、4連覇を果たした。男子の那覇西と具志川は、2月に長崎で行われる九州大会の出場権を獲得した。

◆新城 攻守に存在感/那覇西
 技術力と守備力の高さを見せた男子那覇西。具志川に6―0と大差をつけ、優勝を奪った。なかでも攻守で存在感を見せたのはFW新城太貴。高校の公式戦としては自身初のハットトリックを決め、チームを勝利に導いた。
 出だしからがっちり主導権を握った。開始わずか1分、センターライン近くでボールを受け取った新城が、一気に相手ペナルティーエリアまで駆け上り、冷静に相手GKの動きを読み先制。その5分後も、FW比嘉映幸が左足でネットを揺らした。FW宮城良壽も負けじとシュートを決めると新城も追加点を挙げ、前半だけで4得点。
 後半も持ち前の素早いプレスで何度も相手のパスを奪うと、ショートカウンターで見せ場を作った。宮城からアシストを受けた新城が相手守備を置き去りにし、右足でゴール。MF中川貴友樹もダメ押しの6点目を奪い、圧勝した。
 余裕の勝利の那覇西。しかし、強豪校として下馬評こそ高かったものの、勝てない時期が続いた。昨年の新人戦は3回戦負け。インターハイ県予選は初戦敗退、選手権も4回戦負けと、辛酸をなめた。
 3年ぶりの新人戦優勝に、主将の徳元悠平は「那覇西が強いということをやっと証明できた」と喜んだ。一方で新城は「優勝できてうれしいけど、これはあくまで通過点」と、きっぱり。「インターハイ、選手権の3冠はもちろん、九州、全国制覇も目指す」と、さらなる飛躍を誓った。(仲本文子)

◆数的不利も一丸の粘り/美里、笑顔はじけ
 冬晴れのピッチに、8人の笑顔がはじけた。選手9人、うち1人が直前にけがで欠場。数的不利のハンディを抱えた女子美里が、粘り勝ちでPK戦の末に4連覇を達成した。
 序盤から糸満の猛攻に遭った。自陣にくぎ付けにされ、何とかボールを奪ってもパスをつなぐ余裕がなく、相手ペースにならざるを得ない状態。
 しかし、粘り強く守る作戦が功を奏した。0―0からの延長戦も両チームとも得点なし。PK戦に持ち込んだ美里は、1ゴールも外さずに勝利を奪った。
 シュート本数は糸満の26本に対し、美里はわずか2本。それでもつかんだ栄冠に、GKの外間沙希は「先輩たちの誇りを受け継ぐことができて良かった」と、ほっとした様子。主将の仲松叶英は「4月からは新しいメンバーも入ると思うし、また九州、全国に挑戦したい」と、意気込んだ。

男子決勝 那覇西―具志川 前半34分、自身2点目、チームとしては4点目となるシュートを決める那覇西の新城太貴(右)=26日、県総合運動公園陸上競技場(桑原晶子撮影)
女子決勝 美里―糸満 PK戦を制して4連覇を果たし、喜び合う美里の選手たち(桑原晶子撮影)