国頭、3連覇へ前進 沖縄一周市郡対抗駅伝


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13区、八重山の仲村渠隆雄(右)を抜いてトップに立つ国頭の渡久地政海=26日、名護市天仁屋(金良孝矢撮影)

 県知事杯第36回沖縄一周市郡対抗駅伝競走大会(主催・沖縄陸上競技協会、共催・県、琉球新報社、ラジオ沖縄、沖縄テレビ放送、特別協賛・沖縄電力、協力・第一交通産業グループ)は26日、14市郡が出場して開幕した。

初日は那覇市の奥武山陸上競技場をスタートし、国頭村役場前までの16区間162・5キロで争われ、前半2位の国頭が後半はトップに立ち、通算9時間17分53秒でゴールした。2位は9時間18分31秒の八重山。宮古島市が9時間25分43秒で続いた。最終日の27日は、奥武山陸上競技場までの14区間130・1キロで争う。

◆レース展開/国頭、八重山が激戦
【前半】
 1区は那覇と国頭が集団から抜け出し、那覇の新垣魁都(那覇高)が国頭の関口海月(北山高)に競り勝った。2区は国頭の国吉諒(東京情報大)が那覇を抜き、トップでたすきをつないだ。3区は国頭がトップを維持。次第に順位を上げた八重山は4区で国頭をとらえた。5区で国頭が再び八重山を抜いてトップに。6区は国頭に八重山が中間地点手前で追い付き並走。宮古が3位から差を詰め、トップに躍り出た。7区は栄野比の上り坂で八重山が先頭に。前半最終の8区は、国頭に差を縮められながらも八重山が逃げ切った。
【後半】
 後半は一斉スタートでレース再開。9、10区は中学生区間。9区は国頭が区間賞を取ったが、10区は八重山の田原明宗(与那国中)が後半の上り坂で一気にトップに立った。11区はアップダウンの激しいコース。八重山が粘りの走りで差を詰めさせなかった。12区も八重山がトップをキープ。13区は国頭の渡久地政海(北山高)が上りで差を縮め、5キロ過ぎで八重山を抜き去ると、下りで一気に差を広げた。国頭は最終16区までそのままトップを守り、初日を終了。八重山が追い上げたが2位。那覇が後半3位に入った。

◆底力発揮 初日トップ/活躍光る“若い力”
 選手層の厚い国頭が、底力を発揮、初日トップで折り返した。中高校生の活躍が光り、3連覇へ大きく前進した。
 高校生同士の対決となった1区は、関口海月(北山高)がライバルの新垣魁都(那覇高)と激しく競り合い、わずかに1秒差で2位。前半は八重山、宮古との3者の争いになった。
 5区は比嘉祐介(北山高)が力走。2位からトップに立った。しかし、たすきを渡す際に次の選手が待機していないトラブルもあり、時間をロス。7区では3位まで順位を落としたが、8区は前半アンカーの久高準(国頭村役場)が、トップと4秒差の2位まで追い上げた。
 後半最初の中学生区間は、9区で宮里永隆(本部中)が区間賞の走り。続く区間で3位まで順位を落としたが、2位でたすきを受けた13区の渡久地政海(北山)が、上り坂で差を縮めると、5キロすぎの下りで一気に八重山を抜き去った。国頭はそのまま1位を保ってゴール。
 初日トップのきっかけをつくった渡久地は、3年連続の区間賞。「国頭郡のために貢献したかった。前だけ見て走った」と喜んだ。
 具志堅進監督は「一般選手がしっかり取れなかった分、高校生たちが頑張った」と若い力の活躍を初日の勝因に挙げた。(宮里努)