沖縄予算3001億円 那覇第2滑走路 来年1月着工へ


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2013年度沖縄振興予算案の概要

 【東京】政府は29日午後の閣議で、2013年度の内閣府沖縄振興予算案を本年度比2・2%(64億円)増の3001億円(学校耐震化など東日本大震災復興特別会計の一部を除くと3千億円)と決定した。那覇空港第2滑走路増設事業は13年度に新規事業化。仲井真弘多知事が工事期間を7年から5年に短縮するよう求めていたことを受け、実質5年10カ月(沖縄県の協力による着工前手続きの短縮分含む)に短縮した。

それにより当初想定した総事業費約1900億円は80億円増の約1980億円となった。13年度内の14年1月の着工を目指す。ただ、14年度以降の財源の見通しは現時点で立っておらず、今後も予算編成の過程で確保を目指す方針になった。
 沖縄振興予算の総額3千億円規模の確保や那覇空港第2滑走路増設事業の工期短縮は、官邸側の政治判断が強く働いた。沖縄振興で県側の理解を得て、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設への協力を得ることを目指す政府の思惑がにじむ予算案になった。
 民主党政権が12年9月にまとめた概算要求額は3045億円。政権交代した自公政権も今年1月、同額を概算要求したが、削除が政府方針で決められた復興特別会計の一部と12年の補正予算で前倒し計上した分を除き、実質約2940億円を概算要求していた。
 沖縄振興予算の柱となる自由度の高い一括交付金のうち、沖縄振興公共投資交付金(ハード事業分)は12年度予算比39億円増で、概算要求と同額の810億円を計上。沖縄振興特別推進交付金(ソフト事業分)は12年度予算や概算要求と同額の803億円を盛り込んだ。
 鉄軌道に関しては、「導入課題検討基礎調査費」として1億9千万円を盛り込んだ。民主政権下の12年9月、県の鉄軌道関連で過去最高の3億円を要求し、今年1月、自公政権下での概算要求でも同額を求めたが、1億1千万円減額した上で認められた。

▽仲井真知事 要望配慮に感謝
 2013年度の沖縄関係予算案決定を受け、仲井真弘多知事は29日、「大変厳しい財政状況の中、本県の要望に配慮がなされたと感謝している。那覇空港滑走路増設事業の財源については継続検討となっているが、既存の沖縄振興の施策展開へ影響が出ないよう、早期に検討してもらいたい」とのコメントを発表した。