八重農高、バニラを栽培加工 アジア蘭会議で成果発表


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 【石垣】2~11日に海洋博公園熱帯ドリームセンターで開催される国際会議「第11回アジア太平洋蘭会議・蘭展」(APOC)で、県立八重山農林高校アグリ・リサーチ部が大学や研究機関の研究者に交じって、バニラの栽培に関する論文を発表する。APOC事務局によると、高校生がオブザーバー参加したことはあるが、正式参加は初めて。

 発表を担当するのは高西祥ニコール君(3年)。バニラの栽培からバニラビーンズの加工まで、同校で実験した成果を発表する。ほかの部員3人も機械操作などで高西君をサポートする。
 同校は2010年からバニラの栽培を行っている。バニラビーンズはマダガスカルやインドネシア、メキシコなど赤道近くの国で生産されており、国産バニラビーンズは珍しい。
 バニラビーンズは果実を発酵させて作る。収穫するだけではバニラビーンズにはならず、その後の処理が重要となる。加工方法は生産各国が「企業秘密」にしている場合が多く、同校は手探りの状態で挑戦している。
 現在、温度や湿度を管理するインキュベーターという機械でキュアリング(香り付けの作業)を進めていて完成間近。アグリ・リサーチ部を指導する船越秀輝教諭が「高級品のような出来栄え」とうなるほどの仕上がりを見せている。
 高西君は「高校生ということで不安はあるが、やるからにはしっかりやる。自分たちなりに精いっぱい頑張るだけ」と意気込んだ。

第11回アジア太平洋蘭会議・蘭展で論文を発表する高西祥ニコール君(左から2人目)とアグリ・リサーチ部の部員=1月28日、石垣市の八重山農林高校
八重山農林高校アグリ・リサーチ部が加工中のバニラビーンズ