首相来県 辺野古を堅持 訪米前埋め立て申請否定


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米軍基地問題や沖縄振興予算などについて仲井真弘多知事(右)と話す安倍晋三首相=2日、那覇市のANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービュー

 安倍晋三首相は2日、第2次安倍内閣発足後初めて来県し、仲井真弘多知事と那覇市内のホテルで会談した。知事は3001億円となった2013年度沖縄振興予算に謝意を示した上で、米軍普天間飛行場の県外移設を求めた。首相は「米国との合意の中で進めたい」と日米合意に沿って名護市辺野古移設を進める考えを示した。会談後、首相は記者団に対し、今月下旬の訪米前に辺野古沖の公有水面埋め立てを申請することについて「考えていない」と否定した。会談は冒頭のみ報道陣に公開された。首相と知事はその後別室に移り、約30分間2人で会談した。

 知事は、米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイについて「県民は非常に不安を持っている」と配備撤回を求めた。首相は「安全確保は当然だ。住民生活への影響や不安の払拭(ふっしょく)に意を尽くしたい。訓練等をなるべく県外に移すことにも努力したい」と答えた。嘉手納基地より南の米軍施設返還については「統合計画の作成を加速化させる」と調整を急ぐ考えを示した。
 首相は民主党政権が県との関係を悪化させたとの認識を示し「この3年の間に国と沖縄との信頼関係が壊れてしまった。われわれはまず信頼関係を構築することから始めたい」と強調した。
 首相は那覇空港第2滑走路増設事業の予算化と工期短縮をアピールし「何とか予算に盛り込むことができた。未来への投資であり大きな経済効果を生む。安倍政権の経済政策の柱にもなる」と経済効果に期待感を示した。沖縄科学技術大学院大学については「国の成長戦略の一つになる」と国の施策として推進する姿勢を示した。
 首相は知事との会談のほか航空自衛隊那覇基地や沖縄科学技術大学院大学などを訪れ、宜野湾市の嘉数高台から普天間飛行場を視察した。同日夜に帰任した。

英文へ→Abe reiterates that the government will stick to the Henoko relocation plan