キングス連敗脱出 大阪に78―65 bjリーグ第27戦


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 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=20勝6敗)は2日、沖縄市体育館で大阪エヴェッサ(同地区9位=7勝19敗)と今季第27戦を行い、78―65で勝利、連敗を脱した。

2位に浮上した島根とのゲーム差は3。キングスは新加入の岸本隆一がデビュー。けがで戦列を離れていた山城吉超が2012年4月以来のコートに立った。序盤から小菅直人の3ポイントシュートが連続で決まるなど勢いに乗り、46―35とリードして前半を折り返した。後半もアンソニー・マクヘンリーらの活躍で加点し、大阪を引き離した。大阪との第2戦は3日午後1時から同体育館で行われる。

琉球ゴールデンキングス(21勝6敗)
78―65(20―18,26―17,12―15,20―15)
大阪エヴェッサ(7勝20敗)

 【評】まだまだ本調子とは言えないが、連敗中の嫌な雰囲気を払拭(ふっしょく)する勢いがあった。立ち上がりから持ち味の素早い攻撃を発揮し、守備ではリング下で強さを見せた。小菅や山内、菅原が攻守で粘ったほか、並里や与那嶺に加え、岸本も攻撃の起点になるなど、プレーのバリエーションも広がった。(平安太一)

我慢できていた
 遠山向人HC(キングス)の話 選手全員が闘志を持っていて、アグレッシブなプレーと我慢する部分ができていた。(山城の復帰と岸本の加入で)チームの雰囲気はフレッシュになった。ただ、まだ良くなっていない部分もあるので、油断せずにゲームに取り組んでいく。

まだ学ぶことある
 ビル・カートライトHC(大阪)の話 キングスがアグレッシブなプレーでプレッシャーをかけてきて、うちのチームのプレーができていなかった。まだまだ学ぶことはたくさんあり、その中で良くなっていく。今日も学んだので、明日は違うことができる。

◆小菅、マック攻守光る
 岸本隆一のデビュー、山城吉超の復帰と明るい話題に後押しされるように、キングスが連敗のトンネルを抜けた。小菅直人の3ポイントシュートは好調で、アンソニー・マクヘンリーは攻守で力を発揮。シカゴ・ブルズの黄金期を支えたビル・カートライトが指揮を執る大阪を撃破し、プレーオフに向け正念場となるシーズン後半戦に勢いをつけた。
 第1クオーター(Q)、試合の流れを引き寄せたのは小菅の3点弾だった。両チームが得点を奪い合う立ち上がり、小菅の3点弾が連続で決まった。連敗を喫した滋賀戦で不調だったアウトサイドシュート。その悪い流れを断ち切る鮮やかな得点に、小菅は「先週の(滋賀との)試合が終わって、一人一人が集中して(アウトサイドシュートに)取り組んでいた」と満足げだった。
 マクヘンリーは大阪の素早いパス回しに反応してスチールを決めたほか、巧みなドライブで相手リング下に切り込んで難しい体勢からシュートを決めた。第4Qには小菅のスチールからボールがつながり、マクヘンリーがダンクを決めて会場を沸かせた。
 小菅は「連敗から抜けてみんなほっとしている。明日の試合も必ず勝とうと選手全員が気持ちを切り替えている」と語り、貪欲に勝利を追い求める気迫を見せた。(平安太一)

◆大歓声の中で岸本デビュー 能力の高さ見せる
 大歓声に包まれたホームのコートで、新加入の岸本隆一がデビューを果たした。得点こそ挙げられなかったが、積極的にシュートを放つなど大型新人として能力の高さを見せた。
 最初にコートに立ったのは第1クオーター。自陣コートでボールを受けると、大声でチームメートに声を掛けてゲームを組み立てた。しかし試合では4本の3点シュートが全てリングにはじかれた。「このままではチームに貢献できない。明日は切り替える」と気持ちを引き締める。
 一方、地元の大歓声に迎えられ、「沖縄に帰ってきたんだと思った」と笑顔。「キングスに入ったことがゴールじゃない。チームを優勝に導ける選手になる」と決意する。

キングス―大阪 第2Q、豪快にシュートを決めるアンソニー・マクヘンリー=2日、沖縄市体育館(諸見里真利撮影)
第1クオーターからコートに立ち、ゲームを組み立てる岸本隆一