キングス最終Q逆転 bjリーグ第28戦


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キングス―大阪 第2Q、ドリブルでリング下に切り込む山城吉超=3日、沖縄市体育館(花城太撮影)

 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=21勝6敗)は3日、沖縄市体育館で大阪エヴェッサ(同地区9位=7勝20敗)と第2戦(今季第28戦)を行い、62―60で勝利、2連勝した。

2位に浮上した浜松とのゲーム差は3。キングスは立ち上がりからシュートが決まらず、第1クオーター(Q)はわずか6点に抑えられた。23―35とリードされて迎えた第3Qから徐々に追い上げ、第4Qにアンソニー・マクヘンリーの得点で同点、並里成の得点で逆転した。キングスの次戦は9、10の両日、同体育館に宮崎シャイニングサンズを迎えてホーム2連戦を行う。

琉球ゴールデンキングス(22勝6敗)
62―60(6―11,17―24,22―13,17―12)
大阪エヴェッサ(7勝21敗)

 【評】決定力不足というキングスの課題が顕著に表れた試合だった。3点シュートの決定率は10・5%。大阪を5本上回る19本を放ちながら、2本しか決まっていない。2点シュート決定率は44%だった。一方で、さまざまな攻撃パターンを試みている様子も見られ、今後の可能性を感じさせた。ディフェンスは山城を中心に大阪のビッグマンの動きを止めたことが良かった。(平安太一)

◆今までないほど我慢
 遠山向人HC(キングス)の話 ショットが入らない中で、今までにないほど我慢してゲームを行えた。山城とウッドベリーが少ないプレータイムでチームのために体を張ってくれていた。ショットが良くないので、チームとしてもっと頑張らないといけない。

◆勝てる試合だった
 ビル・カートライトHC(大阪)の話 今日は勝てる試合だった。ディフェンスは昨日よりうまくできていたが、リバウンドが取れずに勝てるタイミングを逃した。一つのディフェンス、一つのリバウンドをもっと集中してできれば良かった。

◆再起へ 気迫のプレー/山城、ウッドベリー
 山城吉超とテレンス・ウッドベリー。けがを乗り越えた2人が、復活ののろしを上げた。ショットが決まらないキングスは第1Qからリードを許し、第4Qの終盤まで追いかける展開が続いた。我慢の時間が多いゲームでチームを支えたのは、山城の体を張ったディフェンスとウッドベリーの得点力だった。
 第2Q、10点ビハインドの場面でコートに送り出された山城は「アグレッシブさを出そう」と気合を入れた。マークする相手は身長211センチのリック・リカート。「出場したら絶対にやっつけようと思った」との言葉通り、ビッグマンにも当たり負けしない恵まれた体格でリカートの動きを封じた。「流れを変えるプレーができたし、チームも勝てて良かった」と口元を緩める。
 ウッドベリーは第2Qのみ、約7分半のプレータイムだったが、得点が決まらない重苦しい雰囲気を打ち破るように連続でショットを決めた。「与えられたプレータイムでできることがあって自信になった」とウッドベリー。けがで滋賀戦などに出場できなかったこともあり、今回の大阪戦は「リスタートの気持ち」で臨んだ。「試合ではみんながハードにプレーして、チャンスをものにできた」。チームの連勝を笑顔で喜んだ。(平安太一)