沖縄芝居 若手育成へ 俳優協会、法人化で活動強化


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一般社団法人への移行に向けて説明を聞く会員ら=3日、浦添市の国立劇場おきなわ

 沖縄芝居役者らでつくる任意団体「沖縄俳優協会」(春洋一会長)が2月中旬までに一般社団法人へ移行し沖縄芝居の再興へ活動を本格化させる。法人化に伴い組織運営を強化し、観客数の減少や後継者不足などの現状や背景を分析。新作脚本の公募や役者・演出家などの人材育成の体系的な研修制度、県内全域の縦断公演なども取り組む。

 同協会総会が3日、国立劇場おきなわで開かれ、法人化が承認された。4日に同法人として登記を申請し、2月中旬で全ての手続きが完了する。法人であることが要件の県文化振興会「沖縄文化活性化・創造発信支援事業」の支援を受けた「沖縄芝居再生・普及プロジェクト(俳優協会の組織化)」として事業を展開。県内外から役者志望者を募り、沖縄芝居の立方や地謡、演出家、スタッフの研修制度も創設する。
 同協会は1947年に結成され、役者の育成や地位向上などを目的に任意団体として活動してきた。しかし、近年は昨年7月に新役員が選出されるまで実質的な活動休止が続き、各劇団や役者を取りまとめる事務局体制の強化が課題となっていた。今回の法人化を機に事務局の機能を強化し、効果的な運営を目指す。
 春会長は「(法人化に伴い)皆で一つになることが必要だ。若い人が1人でも2人でも多く見に来てくれる芝居をつくっていかないといけない」と指摘。津波盛廣事務局長は「若手の中から、スターを発掘し育てないといけない」と話した。
 法人化後の事業も含め、役者や識者が意見交換する同協会主催のシンポジウム「沖縄芝居の更なる発展を目指して」が9日午後2時、浦添市男女共同参画推進ハーモニーセンターで行われる。入場無料。
 問い合わせは同協会事務局(電話)090(9782)8568。

英文へ→Okinawa Actors’ Association to be incorporated