日米合意を強調 「辺野古」外相、知事と平行線


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就任後、初来県し仲井真弘多知事(右)と会談する岸田文雄外相(左)=16日午前、那覇市のANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービュー

 岸田文雄外相は16日、那覇市のホテルで仲井真弘多知事と会談した。岸田氏は「日米合意に基づきながらしっかりと沖縄の負担軽減に努めなければならない」と述べ、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設方針へ理解を求めた。

仲井真知事は「普天間基地の一日も早い県外移設、返還、跡利用が公約であり、県民との約束でもある」と主張。「県外」方針が変わらないことをあらためて示した。
 帰任前の記者会見で、岸田氏は、県内移設に反対する自民党県連とねじれがあることに「政府として基本的方針の下で結果を出す努力をしないといけない」と述べ、県連へも理解を求めていく考えを鮮明にした。
 仲井真知事は会談で基地問題についての要望書を提出。垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの沖縄運用について「(日米の)合意事項から外れる事例が数多く認められている」などとし配備計画見直しを求めた。これに対し岸田氏は「安全面について万全を期すために外交の場でしっかりと必要な協議をやっていかなければならない」と述べた。
 米国で22日(現地時間)に日米首脳会談を行う安倍晋三首相に同行し、ケリー国務長官との会談を調整していることに「しっかりと意思疎通を図り、日米同盟強化の方向性を確認する」と述べた。岸田氏と仲井真知事は、報道陣への公開の会談に先立ち、朝食を交え非公開でも会談した。岸田氏は16日夜に東京へ帰任した。