コラソン、POへ望み JHL 最終戦で強豪撃破


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琉球コラソン-湧永製薬 古巣・湧永とのホーム最終戦で、10得点を挙げる活躍を見せた東長濱秀作=17日、沖縄市体育館(金良孝矢撮影)

 日本ハンドボールリーグ(JHL)第18週第2日は17日、各地で男女4試合を行った。琉球コラソン(4位=7勝7敗1分け)は沖縄市体育館で湧永製薬(3位=9勝4敗1分け)と今季最終戦を戦い、27―24で勝利した。

創立5年目で湧永への勝利は初。通算戦績8勝7敗1分けで、23日のJHL最終戦を前に、5位以上が確定した。また、大同特殊鋼(5位=6勝7敗1分け)がトヨタ紡織九州(6位=5勝7敗2分け)に勝利したことで、コラソンのプレーオフ(3月9、10日、東京)進出の可否は、23日に行われる大同の最終戦となる北陸電力(2勝13敗)戦の結果まで持ち越しとなった。大同が北電に引き分けるか、敗れた場合はコラソンが進出。大同が勝利した場合は大同の進出が決まる。また、男子得点ランキング単独1位の東長濱秀作は10得点を挙げ、通算105得点で今季得点王に前進した。

琉球コラソン(8勝1分け7敗)
27―24(14―9,13―15)
湧永製薬(9勝1分け5敗)
 【評】足の速い湧永対策として、いつもより高めの1―2―3の守備陣形を敷き、速攻や逆速攻で得点するなど得意のパターンに持ち込んだ。後半の中盤には無得点の時間帯が続いたが、ここでも激しい当たりからの攻撃でリズムを取り戻した。序盤の先行が奏功し、逃げ切りに成功した。

◆高めの守備奏功
 東長濱秀吉監督の話 いつもより高めの守備で当たり、先行してうまく逃げ切れた。前半の走りと守りが良かった。大同の勝利で、PO進出は難しくなったが、3位の湧永に勝てたことで、POに行ける力は持っていると証明できたと思う。

◆強さ証明できた
 水野裕紀主将の話 東長濱に厚いマークがついても、誰でも得点できる展開が増えた。勝てる試合を落としたりもしたが、これまで勝てなかった大同や日本一の湧永に勝つことができ、強さを証明できた。パワーアップを実感したシーズンだった。

◆東長濱、古巣相手に10得点
 序盤からポイントを先行したコラソンが、「日本一」の湧永製薬から待望の勝利を挙げた。エース東長濱秀作が古巣相手に大暴れし、10得点と気を吐いた。
 湧永の速攻を警戒し、いつもより高めの守備陣形を敷いた。攻めあぐねて攻撃が乱れた湧永からボールを奪い、得意の速攻につなげる展開で次々得点。セットオフェンスでも、ポストに一度ボールを出すことで、湧永の守備が中央に集まった隙を突いて、フリーとなった右サイド名嘉真吾にパス。サイドやポストをうまく使った攻撃で得点し、最大8点のリードを奪った。
 東長濱がマンツーマンに遭って攻撃に参加できなくなった後半の終盤も、村山裕次らがコンスタントに得点。昨年12月の全日本総合で優勝した湧永を徹底的に苦しめた。
 介護や営業職など選手の多くは、フルタイムの職種に就き、連日夜8時以降に練習を行っている。専用の練習場所がないため、日々中南部の体育館を移動。選手の在籍数もリーグ1少なく、厳しい環境の中でハンドボールを続けている。
 だが、チームは創立5年で、あと一歩でプレーオフ(PO)に届く位置にまでつけた。大同の勝利で進出の道は厳しさを増したものの、東長濱は「自分たちができるハンドボールを最大限に発揮できた。コラソンは、チームとしても企業としても、無限大の可能性がある」ときっぱり。この日の勝利は、来季の躍進につながる確かな一歩となった。
(新垣梨沙)