遊び心満載の舞台 国立劇場「新春ゆらてぃく遊ば」


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音楽劇「心と姿」を演じる(前列左から)藤村、宮城、玉城、西門、嘉数ら=16日、浦添市の国立劇場おきなわ

 国立劇場おきなわ企画公演「新春ゆらてぃく遊ば」(具志幸大演出)が16日、浦添市の同劇場で行われた。中堅・若手舞踊家らによる箏曲・三線合奏から始まり、民話を基にした音楽劇、洋楽器も織り交ぜた民謡・踊りなどを遊び心たっぷりに披露し、旧正月を祝う舞台となった。
 第1部の幕開けは箏曲「六段菅攪(合奏)」。舞踊家らが箏本手(阿嘉修、宮城茂雄、藤村未央)、箏替手(浦崎愛梨、西門悠雅、大濱麻未、大城建大郎)、三線(高宮城実人、嘉数道彦、森田夏子、金城恵、玉城匠、澤井毎里子、大嶺英樹)に分かれて演奏した。
 普段は琉舞や組踊、沖縄芝居などの立方として出演している舞踊家らが合奏する姿は新鮮だった。
 箏曲を終えると嘉数、西門、玉城の3人だけが残って演技を開始。そのまま民話「扇美人」より音楽劇「心と姿」(富山陽子脚色、高宮城構成)へと突入した。もうすぐ30歳になる太良(西門)、三良(玉城)は「美人を嫁さんにしたい」と望む。これに対し、先輩の亀謝(嘉数)は「姿形にこだわるな」「昔話を聞かせよう」と過去へタイムスリップする。
 ある母と娘の姉妹、若按司らとのやりとり見て、姿ではなく、心こそ大切と気付いた3人。しかし、現実に戻って美人と思って近づいた女性の顔を見ると、醜女(しこめ)だったことに驚く。単なる建前だけで終わらせず、人間の本音も盛り込む意外性で会場を沸かせた。
 第2部は歌と踊り「ゆらてぃく遊ば」と題し舞踊「正月のあやぐ」「根間の主」「恋し辻村」などを披露した。「加那よう」は舞踊家らの歌三線、筝、三板に乗せて高宮城が遊び心たっぷりのリズムや間を入れながら舞い、魅了した。最後は「ヘイ!二才達」などで知られる男性コーラスグループ「ホップトーンズ」が歌う「ホップのトゥバラーマ」を女性による歌やギター、パーカッション、ピアノ、踊りを交えて披露し締めくくった。

※注:高宮城実人の「高」は旧字体