日台漁業協議「地元の意見尊重」 県漁連要請に回答


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 【東京】尖閣諸島を含む周辺海域の漁業権をめぐる日本と台湾との協議に関し、県漁業協同組合連合会の国吉真孝会長と県漁業協同組合長会の古波蔵廣会長は26日、外務省に鈴木俊一副大臣を訪ね、県内漁業者の利益を守ることなどを求める要請文書を手渡した。

国吉氏によると、鈴木氏は「地元の意見を尊重したい」などと述べ、地元漁業者の意向に配慮しながら協議を進める考えを示した。
 さらに一行は国会内で、日本と国交のない中華民国(台湾)との関係強化を目的とした超党派の議員連盟、日華議員懇談会の藤井孝男幹事長と面談。藤井氏は、このほど立ち上げた実務者会議で同協議を議題にした会合を3月中にも開催し、水産庁や外務省から現状を聴取した上で対応を検討する考えを示した。
 要請では、排他的経済水域(EEZ)の地理的中間線を基本に交渉することも求めた。
 国吉氏によると、鈴木氏は同協議について「外務省の一存ではしない。水産庁と話し合いながら進め、沖縄県の漁業者の安全操業を基本として考える」と述べた。藤井氏は「台湾と日本は国交がないので政治的判断は大きい。今後、本格的に議員懇として調整を図っていきたい」と述べ、実務者会合を通じて、台湾側と接触する考えを示した。
 全ての要請日程を終え、国吉氏は「具体的な協議はこれからだという感触を得た。政府の交渉の状況を見ながら具体的な中身が明らかになった段階で、新たな要請など次の対応を考えていきたい」と述べた。