「辺野古」を推進 首相施政方針演説


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 【東京】安倍晋三首相は28日午後、衆・参両院の本会議で第2次安倍内閣発足後、初の施政方針演説を行った。在日米軍再編について「現行の日米合意に従って進め、抑止力を維持しつつ、沖縄の負担の軽減に全力で取り組む」との意向を表明した。

日米合意通りの推進を強調することで1月28日の所信表明より踏み込み、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設推進の姿勢をより鮮明にした。恩納村の沖縄科学技術大学院大学を挙げ、「沖縄の地に、世界一のイノベーション拠点を創り上げる」と強調した。
 首相はエネルギーの安定供給とコスト低減を図る立場から、安全確認を前提に原発を再稼働する方針を明言した。環太平洋連携協定(TPP)は政府の責任で判断するとして、交渉参加を事実上表明。東日本大震災の復興加速に全力を尽くすと約束した。2007年の第1次内閣での施政方針演説と同様、憲法改正へ議論促進を呼び掛けた。
 首相は「日米安保体制には抑止力という大切な公共財がある」と指摘し在日米軍再編に言及。「普天間飛行場の固定化はあってはならない」とした上で「沖縄の方々の声によく耳を傾け、信頼関係を構築しながら、普天間飛行場の移設および嘉手納以南の土地の返還を早期に進める」と述べた。
 首相は2月2日の初来県で海上保安庁や自衛隊を激励したことに触れ、領土・領海・領空を守り抜く決意を強調。防衛関係費の増加を図る意向を示し「防衛大綱を見直し、南西地域を含め、自衛隊の対応能力の向上に取り組んでいく」とした。地位協定改定や垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備反対に対する沖縄側の要望についての言及は所信表明と同様なかった。