キングス、東西首位対決制す bjリーグ第35戦


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キングス―横浜 第2クオーター、スチールを決める金城茂之=2日、宜野湾市立体育館(諸見里真利撮影)

 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=26勝8敗)は2日、宜野湾市立体育館で横浜ビー・コルセアーズ(東地区1位=25勝9敗)と今季第35戦を行い、77―62で勝利、3連勝を飾った。

キングスが東地区のチームと対戦するのは今季初。両地区の首位決戦となった試合は立ち上がりから接戦になり、序盤は両チームがリードを奪い合うクロスゲームとなった。キングスは小菅直人や金城茂之がアウトサイドのショットを決め、徐々に流れをつかんで40―32のリードで前半を折り返した。後半も勢いを維持し、激しいディフェンスで横浜を圧倒した。第4クオーター(Q)に得点が止まる場面もあったが、横浜の追撃を阻止した。2位島根とのゲーム差は2のまま。横浜との次戦は3日午後1時から同体育館で行われる。

琉球ゴールデンキングス(27勝8敗)
 77―62(15―17,25―15,25―15,12―15)
横浜ビー・コルセアーズ(25勝10敗)

 【評】ハードなディフェンスで横浜の攻撃を抑えたキングスが優位に試合を進めた。序盤は内外を攻め分ける横浜に苦しめられる場面もあったが、第2Q以降は早い段階で横浜の攻撃の芽をつぶし、ターンオーバーやショットミスを誘った。一方でフリースローの決定率が46・2%と低く、3点シュートの決定率も22・6%と改善の余地が残されている。
(平安太一)

◆第4Qは甘さも
 遠山向人HC(キングス)の話 自分たちのターンオーバーを四つにとどめ、横浜に16のターンオーバーをさせたのは、アグレッシブにディフェンスができたからだ。しかし、フリースローの決定率が低く、第4Qには甘さもあった。明日は今日以上にタフなゲームになるので、チームで戦って勝利する。

◆もっと高いレベルで
 レジー・ゲーリーHC(横浜)の話 沖縄で素晴らしいチームと戦ったが、自分たちはハードなプレーができていなかった。インサイドの力も発揮できなかった。ターンオーバーからの戻りも悪く、キングスに得点を与えていた。明日はもっと高いレベルでゲームプランを実行する。

◆金城大車輪、完全復活へ
 金城茂之の手に、完全復活に向けた確かな感覚があった。けがによる長期の戦線離脱を経験し、復帰後も結果を残せないもどかしさを味わった。それでも諦めず、ひたむきにバスケと向き合った。そして迎えた横浜戦。プレーオフファイナルを占う意味でも負けられない試合で、12得点、4スチールと大車輪の活躍を見せた。「結果を残せてホッとしている」。戦いを終え、安堵(あんど)の表情を見せた。
 前週の浜松とのアウェー戦には参加せず、ケアのために沖縄に残った。その際に金城は、シュート練習を一からやり直した。「練習でいいタッチをつかんでいた。その感覚が残っていたので、チームのために役立てたかった」。成果は試合で表れた。
 第2Q。15―17と横浜にリードを許す場面で2点ショットを決めて同点に追い付くと、その後はスチールからの速攻や3点シュートで横浜を引き離し、チームに流れを呼び込んだ。軽快なプレーで会場を沸かせたが、「シュートを決めても気を抜かずに目の前のことに集中した」と全力で試合に臨んだ。
 「この1週間、金城はかなり練習していたし、雰囲気もいつもと違った」と遠山向人ヘッドコーチも納得の表情。金城は「これで慢心せず、もっと上を目指したい」と強調。次戦を見据え、気持ちを切り替えた。(平安太一)