絶滅危惧種に指定されているヤンバルクイナの鳴き声が、生息する本島北部の生物などがほとんど使わない周波数帯で検出されたことが、2月28日分かった。沖縄コカ・コーラボトリングなどが実施する生態調査で判明した。
関係者は「空いた周波数帯を利用して効率よく互いにコミュニケーションを図っているのではないか」と話し、生態解明を進めて実効性の高い保護活動に役立てたい考えだ。
取り組みは沖縄コカ・コーラ、日本コカ・コーラ、NPO法人どうぶつたちの病院沖縄、国立沖縄工業高等専門学校の4者が連携し、2010年5月から実施。国頭村など生息域に近い自動販売機に録音機を設置して24時間体制で鳴き声のデータを収集した。
沖縄工業高等専門学校がデータを分析したところ、虫や鳥の鳴き声や風や草木がこすれる音など生息域の環境音がほとんど検出されない2・5~3・2キロヘルツの周波数帯で、ヤンバルクイナが鳴き声を上げていることが判明した。
一方、車両の騒音も同じ周波数帯で検出されることから、ヤンバルクイナの交通事故にも何らかの因果関係があると推測している。
2月28日、那覇市のANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービューで開かれた記者会見で、「どうぶつたちの病院沖縄」の金城道男副理事長は「気象データなども取って環境音とヤンバルクイナの関係を明らかにすれば、保全対策にも大きく役立つのではないか」と報告した。
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