低周波音 基準超え オスプレイ、国立高専裏離着陸


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渡嘉敷健氏

 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ2機が12日に名護市辺野古の沖縄工業高等専門学校裏にある米軍キャンプ・シュワブのヘリ着陸帯に飛来した際、発生した低周波音が普天間飛行場辺野古移設に向けて防衛省が作成した環境影響評価(アセスメント)の基準値(閾値(いきち))を上回っていたことが分かった。

 琉球大の渡嘉敷健准教授(環境工学、騒音)が同日に高専で測定調査し、16日の沖縄国際大で開かれた同大沖縄経済環境研究所主催の講演で明らかにした。
 低周波音は不快感・圧迫感(心理的影響)や建具などのがたつき(物的影響)をもたらすという。12日の調査では午後3時55分ごろに発生。40ヘルツでは93・7デシベルを記録し、アセスの心理的影響の閾値(78・0デシベル)を15・7デシベル、物的影響の閾値(93・0デシベル)を0・7デシベル上回っている。
 渡嘉敷氏は講演で、12日の測定結果を紹介しながら、新たな基地騒音問題としてオスプレイの低周波音を指摘した。
 渡嘉敷氏は「2010年の普天間爆音訴訟の高裁判決では、低周波音の心身の被害との因果関係が認められている以上、オスプレイの配備は認められない」と話し、国による低周波音測定調査の必要性を強調した。