知事、普天間移設県外を要求 安倍政権で初の沖政協


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 【東京】安倍晋三首相と全閣僚、仲井真弘多知事が出席する沖縄政策協議会(主宰・菅義偉官房長官)が19日、官邸で開かれ、仲井真知事が米軍普天間飛行場の県外移設をはじめ、嘉手納飛行場より南の米軍施設・区域の早期返還、日米地位協定の改定などをあらためて求めた。

協議会冒頭、安倍首相は「沖縄には今なお多くの米軍施設があり、県民に負担をかけている。抑止力を維持しつつ、負担軽減のため全力で取り組む」と表明し、基地負担軽減に努める意向を強調した。協議会開催は昨年5月以来で、安倍政権では初めて。
 2月の日米首脳会談を踏まえ、政府は、普天間飛行場の名護市辺野古沖への移設に伴う県知事への公有水面埋め立て申請を今月末に行う方針。政府を挙げて沖縄の基地負担軽減に取り組む場を設定することで、県内移設への理解を求めていく構えだ。
 首相は振興に関して「沖縄は高い潜在力を持ち、日本経済活性化のけん引役となり得る地域だ」と指摘。「沖縄への投資は、未来への投資という思いとともに、引き続き沖縄振興をしっかり進めていく」と述べた。
 菅官房長官は記者会見で、仲井真知事が求めた普天間の県外移設について「固定化させてはならないというのが大前提だ。辺野古沿岸部の埋め立ては日米全体の抑止力を考えて合意したもので粛々と進めたい」と説明した。
 協議会に続き、菅氏や岸田文雄外相、小野寺五典防衛相ら関係4閣僚と仲井真知事による小委員会の初会合が開かれた。外務、防衛両大臣が負担軽減に向けた取り組みを説明した。
 協議会後、仲井真知事は記者団に対し、普天間飛行場の移設について「辺野古は時間がかかる。反対運動もあり、41市町村が反対している。普天間の固定化をあってはならないという考えであれば、出来上がるまでに10年も15年もかかるなら、固定化と変わらない」と県内移設は困難と強調。「既に滑走路のある所に移した方がいいと申し上げた」と述べ、普天間飛行場を県外の滑走路がある場所に移すよう求めたことを明らかにした。