沖尚、力出せず涙 敦賀気比に2―11 選抜高校野球大会


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沖尚―敦賀気比 2回、右中間にチーム初ヒットとなる二塁打を放つ諸見里匠=22日、兵庫県の甲子園球場(諸見里真利撮影)

 【選抜高校野球取材班】22日に甲子園球場で始まった第85回記念選抜高校野球大会で開幕試合を戦った沖縄尚学だったが、敦賀気比(福井)の破壊力のある打線の前に2―11と敗れた。

沖尚は初回、先発の比嘉健一朗が相手打線に捕まり、5本の安打を許した。守備もミスが目立ち、一挙5点を奪われる苦しい立ち上がりとなった。反撃したい沖尚は、諸見里匠や柴引佑真など主軸の安打でたびたび得点圏に走者を進めた。しかし要所で安打が出ず、八回と九回に内野ゴロの間に1点ずつをかえすにとどまった。投手陣は二回に宇良淳、七回に與座海人、八回に慶山陸と継投したが、最後まで流れを変えられなかった。敦賀気比のほか常葉学園菊川(静岡)岩国商(山口)が勝って2回戦に進出した。

◆打線健闘 夏また来る
 本来の力を出し切れないまま、沖尚ナインの選抜大会は幕を閉じた。「守りが全てだった」。試合後、比嘉公也監督は守備の乱れが敗戦につながったことを悔やんだ。諸見里匠を中心に打線は10安打を放ち健闘したが、ホームが遠く、勝利には手が届かなかった。「この悔しさをバネに、夏は必ず戻ってくる」。選手らは目を赤らめながら甲子園への再来を誓った。
 開会式直後の開幕試合。13000人の大観衆がスタンドを埋め尽くす中で、沖尚ナインの動きは明らかにぎこちなかった。一回裏、敦賀気比の先頭打者に安打を許すと、続く打者の送りバントを送球できずピンチを広げた。主軸の山田を内野ゴロに打ち取ったが、併殺を狙った一塁への送球が大きくそれ、1点を失った。その後もけん制球の捕球ミスの間に失点。守備の乱れを立て直せなかった。
 諸見里は「うちは守備からリズムをつくるチームだけど、それが崩れてしまった」と乱調を悔やむ。捕手の具志堅秀樹は「どこか浮足だって、慌てた部分があった」と思うように動けなかったことを認める。
 諸見里は二回に二塁打を放つなど意地を見せたが、「自分の結果よりも、チームが勝利する方が良かった」と肩を落とす。「初戦で負けたことを沖縄に持ち帰って反省し、必ず夏に戻ってくる」。リベンジに向け、諸見里はチームをさらに強化する決意を見せた。(平安太一)