辺野古撤回を要求 名護市長 沖縄相に


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北部の首長との懇談会であいさつする山本一太沖縄担当相(右から2人目)=23日、名護市の万国津梁館

 【名護】山本一太沖縄担当相は23日、名護市の万国津梁館で、北部12市町村の首長らと会談した。政府が22日に米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う公有水面埋め立て申請書を県に提出して以降、閣僚の来県は初めて。

北部振興に関する意見交換と視察が主な目的だったが、稲嶺進名護市長は「アセス(環境影響評価)を含めて、県民を欺くような形で強権的に進められたことに県民は非常に怒っている。沖縄の心、意見をしっかりくみ取って届けてほしい」と辺野古移設撤回を求めた。山本氏は「私の所管ではないが、閣僚の一人として防衛大臣や官邸に伝える」と応じた。
 会談後、山本氏は報道陣に、埋め立て申請の翌日に来県したことについて「(首長らから)北部に足を運んでくれと言われ、たまたま今日になった」と説明。「振興は振興としてやる」と述べ、辺野古移設と振興策のリンクを否定した。その上で「閣僚の一人として(辺野古に移設する)内閣の方針をぜひ理解してほしいとお願いするしかない」と述べた。
 一方、稲嶺市長は会談後、移設と振興策のリンクについて「これまでの流れからすると見え隠れしている」と、結び付きを指摘した。
 会談で、宜野座村の仲宗根勲副村長は、宜野座漁協が辺野古の埋め立てに反対していることを説明した。北部市町村会長の儀武剛金武町長は「高規格道路の整備や鉄軌道の導入、医療体制の構築を図る必要がある。TPP(環太平洋連携協定)への参加は十分な農業対策を求める」と述べた。
 山本氏は同日、宜野湾市内で仲井真弘多知事とも会談したが、埋め立て申請については互いに言及しなかったという。