「双葉の音 消さぬ」 標葉せんだん太鼓保存会


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被災地復興の願いを込め息の合った演舞を見せる「標葉せんだん太鼓保存会」と県内太鼓集団の子どもたち=24日、うるま市石川会館

 【うるま】東京電力福島第1原発事故などで福島県外への避難を余儀なくされている人々を支援する「いちゃりば祭!ハートビートフェスタ」(同実行委員会主催)が24日、うるま市石川会館で開かれた。

福島県双葉町に拠点を置く「標葉せんだん太鼓保存会」と、県内の太鼓集団など10組が共演。被災者の心の復興に向けた力強い“鼓動”を響かせた。
 同保存会は、1992年に発足し、福島県内外のイベントへ参加するなど活動していた。しかし原発事故後は、県外避難をしたメンバーも多く、活動は十分にできない状態だという。
 舞台では、古里・双葉の春と夏をテーマにした3曲を披露。古里への思いを込め、全身全霊で太鼓を打つ姿に涙ぐむ観客の姿も。県内の子どもたちとの共演でも、息の合った演舞を見せた。
 同保存会の横山久勝会長は「古里には一生帰れないかもしれない。だからこそ双葉の音を消さないよう太鼓を打ち続けたい」と語った。
 県内参加者のうち、琉球古武道太鼓は、ロックバンド「紫」の宮永英一さんが作った「Wake up 琉球」を「Wake up 福島」とアレンジして披露。避難生活を送る人々を励ました。