3月10日、大城正秀さんは職場の釣り仲間2人と慶良間諸島奥武の5番ポイントに渡った。釣り始めは風や波が強く、餌取りも少ない厳しい状況だった。
しかし、午前10時すぎから風もおさまり、魚の活性も高くなってきた。午前11時に遠投して200メートルほどラインを送り込んだ所で、いきなりのヒット。バチバチバチと音を立ててリールからラインが飛び出していく。掛かった魚は、向かいの奥武の6番ポイントに向かって猛ダッシュ。岩場に回り込まれたらライン切れは確実。竿を立て、スプールを手で押さえ、ラインが出ていくのを必死に防ぐ。リールに残ったラインは50メートルもなく膠着(こうちゃく)状態が続いた。
しばらくすると、岩場に向かっていた魚も諦めたのか、向きを変えて、今度は右に左に走り回る。それに合わせて大城さんも岩の上を必死に竿を支えて移動する。既に腕はパンパン。必死の攻防は30分も続いた。
ようやく姿を現したのはでっかいロウニンアジ。用意したタモで取り込みを試みたが、魚が大きすぎる。仕方なく仲間が磯際まで降りてハンドギャフで引き上げたのが21キロのロウニンアジ。大城さんにとって一生忘れられない大物となった。(おきなわ釣王国社・仲栄真修)
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