教科書検定 「軍命」記述へ決意 9・29大会決議実現させる会


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 県子ども会育成連絡協議会(沖子連)や県婦人連合会などで組織する「9・29県民大会決議」を実現させる会は27日、高校教科書検定結果を受け、県庁記者クラブで声明を発表した。

沖縄戦の「集団自決」(強制集団死)の記述について「日本兵による命令」や「日本軍による住民の殺害、『集団自決』の強要」と記述された点を「5年余に及んだ活動が一定の成果に結び付いた」としたが、「まだ一部にすぎない。県民大会決議が達成されたとは、到底言えない」とした。
 同会は今後も活動を継続させていく意向。沖子連の玉寄哲永会長は「日本兵による命令という表現は一歩も二歩も前進した。出版社、執筆者の熱意、決意によるものだ」と評価した。高島伸欣琉球大名誉教授は、「執筆者も沖縄に来て勉強している」と語り、詳しく沖縄戦を取り上げた清水書院を特に評価し、「10月から12月にかけての訂正申請で、オスプレイや基地問題など追加で記述することも多いと思う。他の教科書もここまでは大丈夫だと、もっと踏み込んで記述してほしい」と訴えた。
 県婦人連合会の平良菊会長は「徐々に改善されるのを実感し、よかったと思うが、教科書は真実が書かれないと教科書ではないので、これからも活動を続けないといけない」と述べた。県老人クラブ連合会の知花徳盛常務理事は「戦争体験した老人には切実な問題で、沖縄戦を体験した人が少なくなる危機感を非常に持っている。軍命の記述はどうしても実現させたい」と決意を述べた。