豊見城 逆転サヨナラ 県春季高校野球第7日


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宮古―豊見城 9回裏2死一、二塁から金城仁の2点時打でサヨナラ勝ちし喜びを爆発させる豊見城ナイン=29日、沖縄セルラースタジアム那覇(花城太撮影)

 第60回県高校野球春季大会(県高校野球連盟主催、琉球新報社共催)第7日は29日、沖縄セルラースタジアム那覇などで2回戦7試合を行い、シードの宮古にサヨナラ逆転勝ちした豊見城などが16強進出を決めた。

糸満は後半に本部を引き離し、7―2で快勝。北中城は3―2で北谷との接戦を制した。北山は4―1で読谷を破り、首里は3―1でコザを下した。八重山商工は序盤に奪った1点を守りきり具志川に勝利。那覇工は1―0で那覇を振り切った。降雨で同スタジアムの試合開始が遅れたため、南部商―興南は30日に順延となった。

◆土壇場、決めた金城仁/シード・宮古撃破
 九回裏、2死一、二塁。点差は1。打席に立った豊見城の1番・金城仁が真ん中に入った直球を捉えると、快音をとどろかせて鋭く外野に抜けた。走者2人が生還。本塁に豊見城ナインの歓喜の輪が広がった。昨秋の県大会で初戦敗退を喫し、春季の巻き返しを誓って冬のトレーニングを積んだナインが底力を見せた瞬間だった。
 初回に2点を先制されたが、簡単には流れを渡さなかった。三回、制球に苦しむ宮古の先発・山里弘一を攻め、単打に相手失策などが絡み同点に追い付いた。「チャンスで1点を取るため冬場は打撃を強化してきた」と主将の大城光晴。六回に1点を勝ち越され、最終回は簡単に2死を取られたが、諦めていなかった。
 「最後の打者にはならない」と心に決めた大城が安打で出塁。続く金城廉が四球を選び、金城仁につないだ。この日3安打の金城仁は「シード校の宮古を絶対に倒す」と強い気持ちで打席に臨んだ。
 初球は直球を見逃してストライク。山里の球筋を見た金城仁は「次も直球が来る」と感じた。2球目は狙い通り真ん中の直球。これまではチャンスで打ち上げることが多かったが、冬場に練習した「たたく意識の打撃」を実践し、逆転サヨナラの適時打を生んだ。
 「今日の打撃は今までで一番良かった」と金城仁。「目標はベスト4なので、次も必ず勝つ」と気持ちを引き締めた。(平安太一)

<きのうの結果>
▽2回戦
豊見城 4―3 宮古
糸満 7―2 本部
北中城 3―2 北谷
北山 4―1 読谷
首里 3―1 コザ
八商工 1―0 具志川
那覇工 1―0 那覇

<きょうの試合>
▽2回戦
【嘉手納】10時
南部商―興南
▽3回戦
【セルスタ】10時
八重山―那覇商
真和志―小禄
【北谷】10時
具志川商―前原
中部商―美里