◆城原区で最大96デシベル 合意違反常態化 宜野座村調査
【宜野座】在沖米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイによる騒音被害の実態を把握するため、宜野座村が2月から簡易型騒音測定器を村内9カ所に設置し、調査した結果、29日までに騒音の最大値が城原区で96・9デシベル、福山区で90デシベルを記録していことが分かった。
騒音測定器の設置場所は城原区民家、同区事務所、漢那小学校、福山区事務所、村役場、松田区公民館、松田小学校、松田区高松地域、ITオペレーションパークの9カ所。城原区では2月21日、同区に近い米軍キャンプ・ハンセン内の着陸帯にオスプレイが離着陸訓練を実施した際に計測された。また各地区で約75デシベル以上の騒音が発生しており、金武町と宜野座村を結ぶ飛行ルートに近い漢那小では騒音で、児童の集中力が途切れ、授業が中断することもあるという。
騒音測定と平行して、目撃情報も収集している村にはオスプレイがヘリモードで住宅地上空を低空飛行しているなどの情報が29日現在、56件寄せられている。各地の騒音測定場所でも、さまざまなルートで民間地上空を飛行する様子が確認されている。宜野座村企画課は「日米合意で定めた住宅密集地上空の飛行回避や基地内に限定したヘリモード飛行などが実施されており、合意が守られていないことも明確になった」と説明した。
◆高専で83デシベル シュワブ内着陸帯で訓練
【名護】垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ1機が28日午前11時すぎから午後1時ごろにかけて、名護市の米軍キャンプ・シュワブ内の着陸帯「カーディナル」とみられる場所で離着陸するのを名護市職員などが確認した。市がオスプレイのカーディナル着陸を確認したのは初めて。渡嘉敷健琉球大准教授が同市辺野古の国立沖縄工業高等専門学校屋上で実施している騒音測定では午前11時35分に83・4デシベルが観測された。
市によるとオスプレイは基地周辺上空を旋回しながら離着陸を繰り返した。午前11時33~38分の5分間の騒音値を平均した「等価騒音レベル」は65・4デシベルで、文部科学省が定める窓を開けた状態での教室内の基準値55デシベルを上回った。
住民らによると、午後4時すぎにもオスプレイ1機が名護市辺野古周辺に飛来した。