キングス、逃げ切る bjリーグ第44戦


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キングス―島根 第2Q、素早いドリブルで相手コートに切り込む岸本隆一=3月31日午後、沖縄市体育館(金良孝矢撮影)

 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=34勝9敗)は3月31日、沖縄市体育館で島根スサノオマジック(同地区2位=30勝15敗)と第2戦(今季第44戦)を行い、90―76で勝利、7連勝を飾った。

島根とのゲーム差は6に広がった。第1クオーター(Q)、キングスはジャーフロー・ラーカイがリング下に力強く切り込み得点。序盤は優位に試合を進めたが、第2Qに入ると島根が速いパス回しからのシュートで猛攻を仕掛けた。前半は47―37で折り返したが、後半に入るとキングスのファウルが重なり、島根の勢いにも押されて一時は同点に追い付かれた。それでも岸本隆一が要所で3ポイントシュートを決めるなど粘りを見せ、最後は島根を引き離した。キングスの次戦は6、7の両日に福岡市民体育館でライジング福岡と2連戦を行う。

琉球ゴールデンキングス(35勝9敗)
90―76(31―20,16―17,21―27,22―12)
島根スサノオマジック(30勝16敗)

 【評】キングスが中盤の苦しい時間帯を我慢し、終盤の猛攻につなげた。序盤はラーカイを中心にリング下への攻撃で勢いに乗った。中盤は逆に島根にリング下への攻撃を許し、そこにファウルトラブルも重なって苦戦した。しかし、同点に追い付かれた場面でも集中力を切らさず、山内を中心に粘り強い守りで流れを呼び戻した。(平安太一)

声援あったから勝てた
 遠山向人HC(キングス)の話 昨日と今日は多くのファンの声援があったから勝利できた。ファンの皆さんに本当に感謝したい。ニュートン不在の試合は大変だったが、ラーカイの良さを表現できるゲームプランを組み立て、チームのみんながよくやってくれた。シーズンはまだ続くので、気を引き締めて頑張りたい。

いい試合ができた
 ジェリコ・パブリセビッチHC(島根)の話 前半は良くないゲームでリードを許したけど、何とか自分たちのゲームに戻せた。一つの攻撃でリードできる状況になったが、フリースローやシュートが外れるミスがあった。それでも1位のチームを相手にとてもいい試合ができたと思う。

◆岸本 攻守で“起爆剤”
 ルーキー・岸本隆一が果敢なプレーでチームを勢いづけた。強敵・島根との第2戦。序盤は優位に試合を進めたキングスだったが、第2Q以降は島根の猛攻に遭った。なかなかペースをつかめない重苦しい時間帯、流れを呼び込んだのは岸本だった。第2Qは2連続で3点弾を決め、第3Qはリバウンドに絡むなど攻守で力を発揮。「チームの起爆剤になりたい」と考えていた岸本は、言葉通りのプレーを見せた。
 立ち上がりは完全にキングスのペースだった。第1Qの開始直後、ジャーフロー・ラーカイが3連続で得点すると、アンソニー・マクヘンリーも負けじとシュートを決めた。「自分が得点できる状況をコーチとチームメートがつくってくれた」と仲間の支えに感謝するラーカイは、第1Qだけで14得点を奪った。
 しかし第2Q。島根はキングスディフェンスの隙を突くパス回しでリズムに乗り、第3Qに入っても勢いを維持し続けた。徐々に点差を縮められ、逆転されそうな場面もあったが、岸本が外からのシュートを決めてリードを保った。「若いので最初から全開でアタックした」と岸本。「チームメートとの(シュートの)タイミングも合ってきた」と手応えを感じている。
 第4Qは山内盛久が3スチールで流れを呼び戻し、最終盤で一気に島根を突き放した。「今日はチーム全員のバスケで勝てた。自分としても結果を残せてうれしい」。岸本は笑顔で試合を振り返った。(平安太一)